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鳥のように空を飛ぶロボットPigeonBot

地球上の最も進んだロボット科学者ですら、どんなに頑張っても鳥が空を飛ぶときのあの軽快で優雅で効率的な運動を再現することは大変難しい。だが、スタンフォード大学の研究者が、鳥の羽根による独特な飛行特性を研究し実証するPigeonBot(ピジョンボット)で、その状況を一歩進めることができた。

見た目PigeonBotは、なんというか言わせてもらえば子どもの工作みたいな感じだ。しかし、適当に作ったみたいなこの装置には、膨大な見識が詰め込まれている。鳥の飛び方は、実はあまりよくわかっていない。動的な翼の形状と、それぞれの羽根の位置の関係が超絶に複雑なためだ。

機械工学科のDavid Lentink(デイビッド・レンティンク)教授は、数名の受け持ちの大学院生とともに、「鳥類の翼の変形メカニズムの生体力学の分析と、そこから得た見識を、実際の風切り羽を使用したバイオハイブリッド・ロボットに応用する」ことに挑戦した。一般的なハトをモデルにしているが、その復元力にはレンティンク教授も驚いていた。

サイエンス誌のインタビューの中で、彼は以下のように説明している。

まずは博士課程の学生Amanda Stowers(アマンダ・ストウワーズ)君が骨格の動きを分析し、私たちのロボットが20本の所列風切り羽根と20本の次列風切り羽を動かすためには、手首と指の動きだけを模倣すればよいことを突き止めました。2番目の学生Laura Matloff(ローラ・マットロフ)君は、骨格の動きに反応した単純に直線的な運動で羽根が動くことを解明しました。ここで得られたロボット工学的見識は、鳥の翼は巨大な劣駆動システムであり、鳥は、それぞれの羽根を常に個別に制御しているわけではないということです。むしろ、手首と指の運動が、羽根を骨をつないでいる弾力性のある靱帯を通じて自動的にすべての羽根に伝わるのです。羽根の位置の制御を大きく単純化する、よくできた仕組みです。

個々の羽根の制御が、手動ではなく自動だったという発見に加え、研究チームは、羽根の中の微小な構造が、一方向性のマジックテープのような特性を生み、あちらこちらに隙間ができることなく、一体化した表面を形作っていることも突き止めた。その他のものも含め、今回の発見はサイエンス誌に掲載された。「3番目の学生」Eric Chang(エリック・チャン)君がまとめ上げたロボット本体については、サイエンス・ロボティクス誌で解説されている。

実際のハトの40枚の羽根と超軽量なフレームを使い、チャン君とそのチームは、簡単な飛行機を製作した。先端にプロペラを備えており、羽根で揚力を生み出すわけではないが、鳥が滑空中に行うように、羽根を湾曲させたり変形させたりして、方向変換やその他の姿勢を制御する。

翼そのものの生物学的特性を研究し、PigeonBotシステムの観察と調整を行うことで、研究チームは鳥は(PigeonBotも)、翼を少し折り畳むときに「手首」を使い、開くときには「指」を使って飛行を制御していることを発見した。しかしそれは、必要とする意識やメカニズムを最小限に抑えた非常にエレガントな方法で行われる。

PigeonBotの翼。羽根は弾力性のあるジョイントで接続され、ひとつが動くと別の羽根も動く仕組みになっている

これには、1世紀以上も前に確立された原理に多くの点で依存する現代の飛行機の、翼のデザインを改良できる可能性がある。当然のことながら、いきなり急降下したり宙返りしたりといった動きは旅客機には無縁だが、ドローンや小型飛行機には、この能力が大変に役立つかも知れない。

「ここで紹介した劣駆動可変翼の原理は、航空機やロボットの、これまで考えられていたよりも高い自由度の、より経済的でシンプルな可変翼の設計に影響を与える可能性がある」と研究チームはサイエンス・ロボティクスに掲載された論文に書いている。

今後彼らは、別の種類の鳥も観察して、この技術が共通のものなのかを確かめる予定だ。レンティンク教授は、この翼に調和する尾の研究に取りかかっている。またこれとは別に、鷹からヒントを得た生体模倣ロボットの研究も行っている。それには脚や鉤爪が付く可能性がある。「アイデアはたくさんあります」と彼は打ち明けている。

関連記事:我々にぴったりの空飛ぶ生体模倣ソフトロボットBat Bot(未訳)

画像クレジット:Stanford University

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(翻訳:金井哲夫)

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巨大カタパルトでロケット不要の打ち上げを追究するSpinLaunchが約40億円を調達

宇宙船の打ち上げ技術を突飛なアイデアで180度逆転させたいと願うSpinLaunch(スピンローンチ)がシリーズBで3500万ドル(約38億5800万円)を調達し、今後もその探究を続けていくことになった。その動力学的打ち上げシステムはまだデモ以前の段階だが、今年はそれが変わると同社は言っている。

TechCrunchがSpinLaunchの野心的な計画を最初に報じたのは2018年で、同社が最初の3500万ドルを調達したときだ。その前の1000万ドルと今回の3500万ドルを合わせると、同社の調達総額は8000万ドルになる。これだけの資金があれば、宇宙船打ち上げ用カタパルトを実際に作れたかもしれない。

関連記事:宇宙スタートアップのSpinLaunchが3000万ドル調達へ、リング状カタパルトで衛星打ち上げを目指す

SpinLaunchの基本的な考え方は、「回転加速方式」により、ロケットをまったく使わずに宇宙船を脱出速度まで加速し、大気圏の外へ放り出すというものだ。同社はそれ以上の詳細をまったく語ろうとしないが、想像では、螺旋状にカールした巨大なレールガンから宇宙船などの搭載物が時速数千マイルで大気圏に突入するというものだ。その際、天候はいっさい影響しない。

当然ながら、この方法には反論が山ほどある。いちばんわかりやすいのは、「真空のチューブからそんな速度で大気圏へ射出するのは、ペイロードをレンガの壁にぶち当てるようなものだ」という説だ。SpinLaunchもこの問題を解決しないかぎり前へ進めないと思うが、さらにほかの問題や疑問もある。しかし同社はほとんど何も明かさず、針のようなコンセプト機の写真をくれただけだ。

でも、もうすぐ大々的なパブリシティの機会が訪れるのではないか。得られた資金でロングビーチに新しい本社とR&D棟を作ったし、ニューメキシコのSpaceport Americaに飛行テストのための施設が完成した。

今回の資金調達を発表するプレスリリースで、創業者でCEOのJonathan Yaney(ジョナサン・ヤニー)氏は「今年の後半にはSpaceport Americaで、大型加速機による弊社の初の飛行テストに成功して宇宙への打ち上げ技術の歴史を変えたい」と語る。

宇宙スタートアップの成功するテーマの1つが打ち上げコストの低減であり、SpinLaunchは軌道へのアクセスが50万ドル以下という技術で、彼らのコスト節約努力をすべて大きく跳び越えようとしている。テストが成功すれば、最初の商用打ち上げを2022年と予定している。

今回の投資ラウンドをリードしたのは、これまでの投資家Airbus VenturesとGV、KPCB、そしてCatapult VenturesやLauder Partners、John Doerr、Byers Familyなどだ。

関連記事:The four corners of the new space economy(宇宙産業の4つの難所、未訳)

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

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海藻から作った代替プラで環境派投資家から6.5億円を調達したLoliware

ここ数年、プラスティック製のレジ袋やストロー、それによく目にするプラゴミを禁止する街が増加し、環境に配慮した代替素材のメーカーが大きく成長している。その中に、ケルプから作った環境に優しい使い捨て製品を供給するLoliware(ロリウェア)がある。巨大な需要と、その優れた原材料の入手法から、初めて巨額の投資を得た。

私は以前にも、非営利団体のSustainable Ocean Alliance(持続可能な海洋連合、SOA)が2017年にスタートしたOcean Solutions Accelerator(海洋ソリューション・アクセラレーター)で最初に投資を受けた企業のひとつとして、Loliwareの紹介をしている。創設者のChelsea “Sea” Briganti(チェルシー“シー”ブリガンティ)氏は、この変わっているが大成功を収めたSOAのAccelerator at Sea(海のアクセラレーター)プログラムからの今回の新たな投資について、去年の暮れに私に聞かせてくれた。

関連記事:洋上のアクセラレーターにて(未訳)

同社は、ケルプから抽出した物質で、その他の製品も計画中だが、主にストローを製造している。念のために説明しておくと、ケルプとは、ごく一般的な水生藻類(いわゆる海藻)の一種で、非常に大きく育ち、丈夫なことで知られている。また広範に繁殖し、多くの沿岸水域に大量に棲息して「ケルプの森」を形成し、生態系全体を支えている。正しい知識を持って成長の早いこのケルプ資源を上手に管理すれば、トウモロコシや紙よりもずっと優れた資源にできる。今の生分解性ストローのほとんどは、ケルプから作られている。

独自製法でケルプから作られたストローは、プラスティックに似た感触ながら、簡単に分解する。とはいえ、温かい飲み物の中では分解しない。トウモロコシや紙のストローよりも液体中での耐久性はずっと高い。もちろん、海藻には味が求められるシチュエーションもあるが、ストローの場合は炭酸水を飲んでも味がしないように処理されている。

「そこには大変な研究開発と微調整の努力があった」とブリガンティ氏は私に話してくれた。「今までに、これをやった人はいませんでした。私たちは、素材技術から、世界初の製造機械や製造管理方法に至るまで、すべてを作り上げました。そうして、製品開発のあらゆる側面を、本当の意味でスケールアップできるようにしたのです」。

彼らは1000種類以上の試作品を作ったが、今でも改良を重ね、柔軟性を高めたり、別の形状を可能にしたりと進歩を続けている。

「結果的に私たちの素材は、他の企業が目指す生分解素材開発のパラダイムから大きく脱却したものになりました」と彼女は言う。「彼らは、問題の多い、永遠に朽ちない、石油由来のパラダイムから発想して、それをあまり悪くないものにしようと考えています。それは単に延長線上の開発であって、遅くて古臭く、本当のインパクトを与えることはできません」。

当たり前だが、どんなに素晴らしい製造工程を誇っても、誰も買ってくれなければ意味がない。それは倫理を第一に考えた事業に付きまとう問題なのだが、実際、需要は急増しており、それに追いつけるよう規模を拡大することがLoliwareの最大の課題となっている。同社のストローの出荷本数は、この数年で数百万本から1億本に増え、2020年には10億本となる見込みだ。

「(研究室から)完全なオートメーションに移行するまでには、およそ12カ月かかります」と彼女は話す。「完全なオートメーション化が実現すれば、戦略的に重要なプラスティックや紙の製造業者に技術をライセンスします。つまり、10億本のストローも他の製品も、自社では製造しないということです」。

プリント基板やプラスティックの金型などを外注するのと同じだと思えば、当然、理にかなっている。ブリガンティ氏は、全世界にインパクトを与えたいと考えている。それには、すでにグローバルに存在しているインフラを活用することが大切だ。

そしてもうひとつ、持続可能なエコシステムを常に考慮するよう、ブリガンティ氏は心がけてきた。廃棄物の削減と根本から倫理的なプロセスを用いるという理念の上に、この会社全体が成り立っているからだ。

「私たちの製品に使われる海藻は、産地の行政による監視と規制の下で、持続可能性が非常に高い形で供給されています」とブリガンティ氏。「2020年、Loliwareは世界初のAlgae Sustainability Council(海藻持続性委員会、ASC)を発足させます。それにより私たちは、新しい国際的な海藻のサプライチェーンシステム作りを主導できるようになり、監視体制を確立して、持続可能な事業と公平性を確保できます。また私たちは、Zero Waste Circular Extraction Methodology(ゼロ廃棄物の循環型採取方式)と私たちで名付けた手法の先導者になります。これは、そこで推奨するバイオマスの要素をあまねく活用した海藻加工の新しいパラダイムです」。

今回の590万ドル(約6億5000万円)の「スーパーシード」ラウンド投資には、多くの投資家が参加している。その中には、昨年10月にアラスカでAccelerator at Seaの船に同乗した数人も、SOA Seabird Venturesとして加わっている。Blue Bottle CoffeeのCEOも投資した。その他、New York Ventures、Magic Hour、For Good VC、Hatzimemos/Libby、Geekdom Fund、HUmanCo VC、CityRock、Closed Loop Partnersも名を連ねる。

この資金は、規模の拡大と、さらなる研究開発に使われる。Loliwareでは、箱入りジュース用の曲がるストローなど数種類の新しいタイプのストロー、コップ、さらに新しい食器を発売する予定だ。2020年は、いち早く流行を取り入れる人たちよりも、行きつけのコーヒーショップでこの会社のストローを多く見かけるようになるかも知れない。どこで彼らの製品に出会えるかは、Loliwareのウェブサイトでチェックしてほしい。

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(翻訳:金井哲夫)

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アップルがエッジAIのXnor.aiを約220億円で買収か

2017年に、非営利団体のAllen Institute for AI(Ai2)からスピンオフしたXnor.aiが、約2億ドル(約220億円)でApple(アップル)に買収された。同社に近い筋が、今朝のGeekWireの記事を確証した。

アップルは、このような非公表の買収に関するかねてからの常套句でその記事を確認した。「アップルはときどき、小さなテクノロジー企業を買収しており、一般的にその目的や計画は明かしていない」。念のため、コメントを求めてみたが無駄だった。

Xnor.aiは、機械学習のアルゴリズムを高度に効率的にするプロセスの開発から始まった。 高度に効率的とは、そこらのもっとも低性能なハードウェアでも動くという意味だ。例えば、ごくわずかな電力しか使わないセキュリティカメラの組み込み電子回路などだ。そんなハードウェアでもXnorのアルゴリズムを使えば、オブジェクトの認識のような通常は強力なプロセッサーやクラウドへの接続を必要とするタスクをやってのける。

関連記事:エッジコンピューティングを再定義するXnorのクラッカーサイズの太陽電池式AIハードウェア

CEOのAli Farhadi氏と彼の創業チームはAi2で同社を作り、同団体がインキュベーター事業を公式に立ち上げる直前に独立した。そして2017年の前半には270万ドル、2018年には1200万ドルを、いずれもシアトルのMadrona Venture Groupがリードするラウンドで調達し、その後もアメリカ籍の企業として着実に成長した。

情報筋によると、2億ドルという買収価額はあくまでも概算だが、仮に最終額がその半分だったとしてもMadronaとそのほかの投資家にとっては大きなリターンだ。

同社は、Appleのシアトルのオフィスへ引っ越すようだ。GeekWireが悪天候下で撮ったXnor.aiのオフィスの写真からは、引っ越しがすでに始まっていることが伺われる。Ai2は、Farhadi氏が同団体にもはやいないことを確認し、しかしワシントン大学の教授職にはとどまる、と言った。

Appleのこれまでのエッジコンピューティングへの取り組み方を見れば、この買収は完璧に理にかなっている。機械学習のワークフローをさまざまな状況で実行できるために、専用のチップまで作ったAppleは明らかに、顔認識や自然言語処理、拡張現実などのタスクを、iPhoneなどのデバイスの上でクラウドに依存せずにやらせるつもりだ。それはプライバシーよりも、パフォーマンスが目的だ。

特に同社のカメラのソフトウェアは、撮像と画像処理の両方で機械学習のアルゴリズムを広範囲に利用している。その計算集約的なタスクは、Xnorの効率化技術によってかなり軽くなるだろう。結局のところ、写真の未来はコードにあるのだから。そして短時間かつ省電力で多くのコードを実行できれば、さらにもっと高度なことができる。

関連記事:コードが写真の未来を創る

また、アップルはHomePodでスマートホームの分野にも踏み込んでおり、応用範囲が非常に広いXnorの技術の未来をアップルのような巨大企業に関して正しく予測するのは本当に難しい。

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

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見るだけで子供の弱視が治る特殊なディスプレイ

弱視は多くの人を苦しめている視覚障がいだが、早期に発見できれば完全に治すことができる。ただし、治療のために何か月も眼帯を着けなければならない。しかしNovaSightは「弊社製のディスプレイの前で1日に1時間過ごすだけで治る」と主張する。

弱視は、2つの目の動きがそろわないことによって起きる。通常は両目の網膜にある物の細部を見分ける凹部分が、今見ている対象に焦点を合わせる。しかし弱視の場合は、片方の目の凹部が対象に正しく焦点を合わせられず、その結果、両目が正しく収束しないので視覚障がいになる。治療を怠ると、次第に視力を失うこともある。

この障がいは子供のとき早期に見つけることができ、正しく機能している目をほぼ終日眼帯で覆うという簡単な方法で治すことができる。そうすると悪いほうの目が正しく見ることを強制され、次第に治るのだ。ただし言うまでもなく、子供にとって眼帯は不快だし面倒だ。しかも片目だと、校庭で十分に遊べないなど不自由なことも多い。

これを着けるとクールだ!

NovaSightのCureSightを使うと、眼帯なしでこの治療を進められる。その代わり、子供が見ているコンテンツの一部をぼかすことによって正しい方の目を休ませ、その間に問題がある方の目に頑張らせる。

このような二重視像方式は、昔の遊園地などによくあった立体映画でも使われていた。そのときは、片方の像は青のフィルター、もう片方の像を赤のフィルターを通して、右の目と左の目が本物の立体物を見た場合のように、互いにわずかに視差のある像を見ていた。今回の二重視像は、正常な像とぼかした像の2つを使う。

CureSightの場合はまず、円の画像を用いて二重の視像を作る。そのスクリーンはTobiiのアイトラッキング用センサーを使って、ユーザーの目線から円があるべき位置を知る。私自身も試してみたが、円の像は目が見ている方向にいつも正しくある。そうすると、ぼけてない正しい方の画像を悪い方の目がみて円の正しい位置を知ろうとする。

この方法がいいのは、特別の処置や検査がいらないことだ。NovaSightによると、円の像だけでなく、子供はYouTubeでもムービーでも、何でもこのスクリーンで見ているうちに、悪い方の目が矯正されてくる。しかも自宅で好きな時間にできる。

グラフ提供: NovaSight

同社が実施した小規模な治験によると、12週間で十分な改善効果が得られた。「今後は完治の結果を得ることと確立しているほかの処置方法との違いの検証に力を入れたい」と同社は語る。

でも3Dディスプレイの技術がお粗末な映画でなくて視覚障がいの治療に使われるのは素敵なことだ。NovaSightは、弱視の治療だけでなく目の検査や診断のための製品も、同じく3Dディスプレイの技術を使って開発している。詳しくは同社のウェブサイトを参照してほしい。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

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YouTubeが子供向けコンテンツでのターゲット広告とデータ収集の制限を開始

YouTubeは、同社とクリエイターが子供向けコンテンツから収集できるデータの中味を公式に制限し始めた。これは、2019年9月に1億7000万ドル(約184億円)という多額の罰金が科せられたことを受けて、同11月に約束された措置だ。子供用のコンテンツが、同社にとって膨大な利益を生むものだったことを考えると、これは同社と、大手クリエーターにとって、大きな財政的打撃となる可能性がある。

主な変更は、2019年11月に発表されたように、子供向けであると判断された、あるいはそう申告されたすべてのコンテンツについて、視聴者は無条件で子供と見なされるようになったこと。有料会員制のYouTube Premiumユーザーであることが確認されている場合でも、YouTubeはそのユーザーを10歳の子供とみなして、ユーザーデータの扱いが制限されることになる。

(関連記事:グーグルとFTCの和解で示された子供のプライバシーの価値はわずか181億円

これには多くの理由がある。そのほとんどは、法的責任を回避すること。同社が、子供向けのコンテンツを見る人はすべて子供であると仮定することは、一種の安全策だが、残念な結果をもたらすこともある。

データ収集の削減は、ターゲット広告がなくなることを意味する。ターゲット広告は、通常の広告よりもはるかに大きな価値を生み出すもの。その結果として、子供向けコンテンツを作成しているすべての人にとって、大きな収入の減少をもたらす。たとえば、現在YouTubeでトップの収益を上げているクリエーター、Ryan Kaji(ライアン・カジ))氏(彼自身も子供だ)も例外ではない。

また、クリエーターが得られるはずの視聴者のインサイトも制限されることになる。これは、視聴者層を理解し、測定値を改善したいと考えている人にとって、非常に重要な情報だ。エンゲージメントを増進させるコメントや通知なども無効になり、チャンネルにとって損失となる。

Googleとしては、「クリエイターがこの新しい状況に対応するのを支援し、ファミリーコンテンツというエコシステムをサポートすることにコミットしています」と表明している。ただし、本当にその思惑どおりにできるのかは不透明だ。すでに多くの人が、システムは明快ではなく、これがYouTubeの子供向けチャンネルの死につながる可能性があると、不満を述べている。

これでポリシーが公になったので、これがクリエイターにどのような打撃を与えるのか、それを緩和するためにGoogleは実際に何ができるのか、じきに確かなところがわかるはずだ。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

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針の頭に乗るほど小さい粒子加速器

粒子加速器について何も知らない人でも、それがときには数マイルにも達する巨大な設備であることは知っているだろう。しかしスタンフォード大学の研究者たちの新しいやり方では、加速器を人間の髪の毛よりも細くできる。

基本的な考え方としては、粒子加速器とは長い長い放射線放出器で、それがターゲットの粒子を正しいタイミングで放射線で叩くと、粒子は前よりもやや速く進むようになる。問題は、使用する放射線の種類と速度、そして得られるエネルギーの大きさによっては、加速器はとても巨大で高速な装置になることだ。

そのため、利用も限られてくる。長さが500mもあって数MW(メガワット)の電力を消費する装置を研究室や診療所には置けない。それほど強力でなくてもいいので、もっと小さければ便利だ。それがスタンフォードの科学者たちが挑戦した課題だ。

プロジェクトのリーダーのJelena Vuckovic(エレナ・ヴァコビッチ)氏がスタンフォードのニュースリリースで「加速器を小型化して研究の道具としてもっと使いやすくしたかった」と述べている。

しかしそれは、Large Hadron Colliderやスタンフォード線型加速器センターのNational Accelerator Laboratoryにあるような従来型の粒子加速器とは設計がまったく異なる。彼らはボトムアップのエンジニアリングではなく、自分たちの要求を「逆設計アルゴリズム」(Inverse Design Algorithm)に与えて、彼らが使いたいと思っていた赤外線放射器から必要とするエネルギーパターンを作り出した。

それは、赤外線の波長がマイクロ波などよりずっと短いので、とても小さなメカニズムを作れるからでもあった。でも、小さすぎるので通常のやり方では適切な設計が不可能だろう。

チームの要求に対するアルゴリズムのソリューションは、粒子加速器というよりはロールシャッハテストのような奇抜な構造だ。でもその泡と水路のようなものは、赤外線レーザー光のパルスを正しくガイドし、中心に沿って電子を光速に近い速度で押し上げることができた。

結果として得られた「加速器チップ」は、直径がわずか数十ミクロンで、人間の髪の毛よりずっと小さく、針の頭に数本を乗せることもゆうゆうできる。数本というより、数千本が正しい。

そして電子のエネルギーを実用レベルに上げるためにも、数千本が必要だろう。そこまでは、計画に含まれている。チップは完全な集積回路だが、それらを長い列状に接続して大きなパワーを作り出せる。

これはSLACやLarge Hadron Colliderのような大型の加速器に対抗するものではなく、惑星を破壊するほどの強大なパワーは要らない研究や臨床目的に利用できる。たとえば、チップのように小さな電子加速器は、放射能を皮膚を通さずに腫瘍に直接照射して、手術ができるだろう。

チームの研究論文は1月2日発行のScience誌に載っている。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

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ロボコール遮断法案にトランプ大統領が署名

2019年12月31日、「Pallone-Thrune TRACED」法に大統領が署名した。ロボコールの背後にいる悪い輩を追い詰める超党派の法律だ。ワシントンで物事を動かすことはまだ可能なのだ!

TechCrunchは何度もTRACED法を取り上げてきた。ロボコールは大変迷惑なだけでなく、ハイテクがもたらす脅威でもある。巧妙なターゲティングと「なりすまし」の技術を用い、スキャマー(詐欺を働く者)は何百万もの電話をかける。電話の受け手をイライラさせるだけならいいが、最悪の場合受け手の隙につけこむ。

新しい法律がロボコールを一晩で一掃できるわけではないが、規制当局が行使できる手段は増える。筆者は12月初め、法案の条項を要約した

  • ロボコール迷惑行為に対するFCC(米通信委員会)の提訴期限を延長し、罰金を増額する
  • FCCはスパムコールとスパムテキストから消費者を守るための規則を作る(すでに着手)
  • FCCはロボコール対策に関する年報を作りFCC推奨の法案を作成する
  • 発信者電話番号の詐称を防止するためにSTIR/SHAKENフレームワーク(発信者電話番号の詐称を防ぐ技術)の適切な導入スケジュールを策定する
  • キャリアが上記サービスに課金できないようにし、合理的な範囲の錯誤による責任からキャリアを保護する
  • 司法長官は犯行者の訴追のために多省庁にまたがるタスクフォースを召集する
  • 司法省は犯行者を訴追できる
  • 確実に規則を機能させ、関連団体からフィードバックが集まるようにするために、限定的または包括的な調査を行う

FCCのAjit Pai(アジト・パイ)会長は、声明で賞賛の意を表明した。

議会が、違法ロボコールや発信者IDのなりすましと戦うために超党派で動いたことを称賛する。そして、この法律によって追加の手段と柔軟性が与えられることについて、大統領と議会に感謝する。具体的には、提訴期限が長くなったため、より長期間当局がスキャマーを追跡できることを嬉しく思う。従来必要とされた、厳罰を課す前の違法ロボコーラーへの警告義務の削除も歓迎する。

また、詐欺やなりすましのロボコールに煩わされていることを常に喚起してくれた米国民に感謝する。ロボコールや悪意のあるなりすましの攻撃に立ち向かう我々の絶え間ない努力を後押ししているのは彼らの声だ。

FCCにできることは限られており、この1億2000万ドル(約130億円)といった巨額の罰金でさえ、悪名高い業界にはほとんど影響を与えていない。「ティースプーンで海水を全てすくおうとしているようなものだ」と、当時のJessica Rosenworcel(ジェシカ・ローゼンウォルセル)コミッショナーは述べた。

TRACED法が大きなスプーン以上のものになることを願う。規制当局と通信業界が体制を新たに整え、実際に問​​題に取り組む長いプロセスが始まる。実際に被害が減ったことを確認するには数カ月以上かかるかもしれないが、少なくとも具体的に対策が取られ始めた。

画像クレジット:Getty Images

参考:米下院と上院が迷惑電話のロボコール対策法案で合意、早急の制定目指す

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(翻訳:Mizoguchi)

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カリフォルニア州消費者プライバシー法が1月1日に発効

議論を呼んだ米国カリフォルニア州のプライバシー法が1月1日に正式に発効する。議会で可決後に署名されて1年半が経った。本人の許可なく個人情報を売りさばく法律軽視のテック企業に鉄槌が下されるまであと6カ月だ。

カリフォルニア州消費者プライバシー法(CCPA)は州レベルの法律で、企業には個人情報を収益化する意図をユーザーに通知する義務を課し、個人には収益化をオプトアウト(拒否)する簡明な手段を与える。

基本的な考え方の概要は以下の通りだ。

  • 企業は、収集する情報、その事業上の目的、データを共有する第三者を開示する義務を負う
  • 企業は、消費者が正式にデータ削除を要求した場合、それに従う義務を負う
  • 消費者は自身の個人データ売却をオプトアウトでき、企業は報復措置として価格やサービスレベルを変更できない
  • ただし企業は、データ収集の許可を得るために「金銭的インセンティブ」を申し出ることができる
  • カリフォルニア州当局は、違反に罰金を科す権限を持つ

法律の詳細はここで詳述されているが、企業や規制当局への影響が完全に理解され、また実際に影響が出るまでにはおそらく何年もかかる。とはいえ、直ちに影響を受けることが明らかな業界はパニックに陥っている。

インターネットに頼る著名な企業がCCPAに公然と反対している。企業は「そんな規制は不要だ」と発言するのを注意して避けてきた一方で、この規制は不要だと表明している。企業が必要だと表明しているのは連邦法だ。

字面だけ見ればこれは正しい。連邦法であれば、より多くの人々が保護され、企業のペーパーワークが減る。企業は、自社のプライバシーポリシーと報告がCCPAの要件を満たすようにしなければならない。だが、企業による連邦規制の要求は明らかに牛歩戦術だ。連邦レベルでの適切な法案は、大統領が弾劾されようとしている選挙の年はもちろん、最適な時期であっても1年以上の集中的な作業が必要となる。

そのため、カリフォルニア州は賢明にも事を進め住民を保護する制度を整備したが、結果としてカリフォルニアに拠点を置く多くの企業の怒りを買うことになった。

1月1日のCCPA正式発効後、6カ月の猶予期間がある。これは正常かつ必要な措置で、悪意のない間違いによる法律違反が罰せられるのを防ぎ、システム内で必ず発生するバグに対応する目的がある。

だが6月以降は、違反1件につき数千ドル(数十万円)規模の罰金が科される。Google(グーグル)やFacebook(フェイスブック)などの企業規模ではすぐに巨額になってしまう。

CCPAへの対応は難しいが、欧州でのGDPR(EU一般データ保護規則)の運用が示しているように、不可能とはほど遠い。CCPAの要求はあらゆる点でGDPRより厳しくない。それでも、あなたの会社がまだコンプライアンスに取り組んでいないなら、始めることを推奨する。

画像クレジット:Lee Woodgate / Getty Images

参考:シリコンバレーが恐れる米カリフォルニア州のプライバシー法

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(翻訳:Mizoguchi)

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動くインタラクティブな電子書籍は、子どもの学習に役立つかもしれない

最近の研究によると、子どもが本の内容を覚えやすいという観点から、電子書籍は通常の書籍に比べていくつか利点があるという。特に言葉のやり取りに重点を置いたアニメーションは、ストーリーの理解、記憶を助けるが、それは正しく行わなければならないものでもある。

カーネギーメロン大学の心理学者、Erik Thiessen(エリック・ティーセン)氏は普通の本、もしくは各ページにアニメーションを盛り込んだ本を読んだ、3歳から5歳の子ども30人の記憶力について研究した。

実験後、それぞれに内容を覚えているかという質問したところ、アニメーションがある本を読んだ子どもたちは、15〜20%も多く内容を覚えていた。最も効果的だったのは、子供がそれについて何かを言ったり尋ねると、反応があったケースだった(ただし自動的にではなく、大人が読みきさせる必要があった)。

「学習過程により深く関わることで、子どもは最もよく学ぶ」と、ティーセン氏はCMUのニュース記事で説明している。「多くのデジタル・インターフェースは、子どもたちの学習にはあまり適していないが、それが改善されれば、子どもたちはよりよく学ぶことができる」

これは、子ども向けの本はすべてアニメーション化されるべきだ、という意味ではない。伝統的な本にはそれぞれ独自の利点があり、絵本を読む時期を卒業すると、これらのデジタル革新はあまり役に立たない。

むしろ重要なのは、電子書籍は有用なものであり、子供向けの図書館に並べられることは、無意味ではないと示すことだ。しかし同時に、学習効果の向上を目標にしてデジタル機能を導入、調整することが重要であり、どのようにして行うのが最適かを、正確に判断するために調査を行う必要がある。

なお、ティーセン氏の研究は、Developmental Psychology誌に掲載された。

 

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

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Snopesは独自のクラウドファンディングで2020年の偽情報戦争に備える

2020年はおそらくここ数十年で最も激しく厳しい選挙の1つになると予想される。演説台やステージ上だけでなく、現代政治の真の戦場であるインターネット上でも争われることになる。古くからあるのファクトチェッカーであるSnopes(スノープス)も戦いに身を投じる。Snopesは、クラウドファンディングの導入を試み、真実は二の次になっているインターネットプラットフォームに依存しない運営を目指している。

TechCrunchが同社から最後に聞いた話は、ファクトチェックに関するFacebook(フェイスブック)との提携からの出直しだ。提携は、悲惨という言葉では強すぎるが、機能不全だったとは言える。優先順位が明らかに一致しなかったため、Snopesは自社の将来、特にファクトチェックに興味がない会社からお金をもらわずにミッションを遂行する環境を確保するにはどうすればよいのか慎重に考えた。

新しい計画では、Snopesのウェブサイトのかなりの読者が、何年もの間無料で使用していたサービスに対し少額の現金を支払うつもりがあるか見極める。現在のところ、標準的なノベルティ購入型の支援スキームがある(40ドル=約4400円でシャツとマグカップがもらえる)が、定期購読料金やその他のサポート手段はもうすぐ発表される。

「サイトの開設以来、我々がチェックした対象から見た我々の外観から資金調達の方法まで、すべてが長くゆっくりとした進化のプロセスだった。今回のことも、そのプロセスのほんの一部にすぎない」とサイト開設者のDavid Mikkelson(デイビッド・ミケルソン)氏は語った。「我々は、ただ道に導かれるまま進むだけだ」。

ここ数年で、Google、Facebook、Appleなど、ユーザーに実際にニュースを配信するサイトの近くには道が通っていないことが明らかになった。Snopesを新しい方向に率いたオペレーション担当副社長のVinny Green(ビニー・グリーン)氏は、上記の企業が現在行っていることを「信頼性の劇場」と呼んだ。

「FacebookのPRスタッフの人数が世界中の正式なファクトチェッカーよりも多いという事実は、状況の不均衡を示している」と同氏は述べた。「Apple NewsとGoogle Newsには、オンラインで健全な内容を流す使命や義務がない。流されるコンテンツの信憑性と信頼性の確保に関心を持つ誰かが立ち上がる必要がある。だから我々が立ち上がる。だが、資金とその調達先へのアクセスだけは、我々自身で拡大するものだ」。

そのため、グリーン氏とSnopesのチームは、クラウドファンディングのための独自のインフラを構築した。KickstarterやPatreonのようなものは避け、目的に合ったものを作った。出来上がった仕組みは、他のサイトでプロジェクトを支援している人なら誰でもなじみがあるものだ。Snopesの場合、コミュニティからの資金募集と見返りとしてのノベルティ付与が可能な汎用システムとして機能するように拡張可能になっている。

数日前のキャンペーン開始以来、すでに1000人の支持者を得ており、その半数だけが見返りとしてノベルティを求めた。この初めての取り組みは、口コミで存在を広め、バグを取り除くことを目的としている。2020年初めに定期購読料金のほか、新しいプロジェクトに紐付いた資金調達のオプションが登場する予定だ。

「ファクトチェックを行う組織はあるが、ファクトチェックを行うビジネスは多くない」とグリーン氏は述べた。企業は情報をそのまま流してしまう傾向があるか、Facebookのように「パートナーシップ」に素直に同意する傾向がある。巨大な資金力と影響力のある会社がパートナーシップという形でお金と注意を払ったのだから、偽情報に反対していると主張できるわけだ。

「数十億ドル(数千億円)規模のプラットフォームが、なぜ30の物事をチェックするのに月額3万ドル(約330万円)をファクトチェッカーに払うのか、本当に疑ってみる必要がある。Facebookのファクトチェックパートナーシップの主な目的は、彼らのプラットフォームで虚偽の情報の受け取りや表示を防ぐことではないことは明らかだ。それは二次的、三次的な目的だった。信頼できる情報のみを提示することは、彼らのビジネスモデルに反している」。

トラフィックとフィードバックは、Snopesが世界中の多くの人々に評価されていることを示している。なぜSnopesは自らを直接支えられないのか。

「情報を暴くという点では、2020年は大変なことになるだろうが、プラットフォームのビジネスモデルは改善しないだろう」とグリーン氏は語った。「トラフィックが増加し、従来の測定基準ではより大きく見える。一方、批判や歪曲のない情報をオンラインで消費したいという欲求もあると思う」。

ブラウザ拡張機能も計画されている

そのため、クラウドファンディングインフラがいくつかのことを可能にするとSnopesは考えている。第1に、最近報告されたようなFacebookページの不正なネットワークや、右翼メディアであるEpoch Timesへのリンクが疑われる偽のアカウントなどに関して、調査作業を直接サポートできる。Facebookは12月20日、その不正ネットワークの削除を発表し、「我々の調査によればこの動きは、米国に拠点を置くメディア組織であるEpoch Media Groupと、ベトナムで同組織のために活動する個人とつながりがある」と述べた。

Snopesについては言及されていないが、同社は不正なネットワークについて記述したメールが何百回も開かれたと指摘する。これは問題となっている会社間の関係を理解するヒントになるはずだ。このような調査に関するフォローアップや費用の支援目的で、読者に5ドル(約550円)をチップとして寄付してもらうことは、小さいながらも重要な変化を生み出す素晴らしい方法だ。読者はチップだけでなく情報提供もできる。

第2に、Snopesのスタッフが調査の過程で集めた膨大な情報に基づいて作成されるニュースアグリゲーターを正当化し、強化することができる。「包括的ではないが、アップロードした内容は保証できる」とグリーン氏は述べた。先行バージョンは来年春に立ち上げる。

また、サイトの最新版ウェブアプリの導入や、コミュニティからフィードバックとデータを取得する方法の改善なども計画されている。「我々には20億人のユーザーはいない。我々はユニコーンでもないが、我々にもできることがある」とグリーン氏は言う。

広告収入が枯渇し、サイトが潜在的な資金提供者と敵対関係にある場合、他に選択肢はあるだろうか。Snopesのニュースルームのスタッフは12人以下という非常に小さなビジネスだ。既に20年間にわたって使ったりやめたりを繰り返してきたユーザーなら、もう1つ定期購入を増やす余地があるかもしれない。

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(翻訳:Mizoguchi)

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ロシアが独自の内部インターネットのテストを開始

ロシア国内のニュース報道によれば、ロシアは世界的なウェブの代替として機能する、国家規模のインターネットシステムのテストを開始した。ロシアがどの段階に達したかは明確ではないが、障害回復力が高く、そして恐らくはより簡単にコントロールできるインターネットが追求されていることは確かだ。

もちろんインターネットというものは、物理的に、仮想的に、そしてますます政治的にインターフェイスしなければならない接続する国同士の世界的なインフラストラクチャの連携網で構成されている。中国など一部の国は、そのインターフェースのローカル側からアクセスできるウェブサイト、アプリ、およびサービスを制御することで、そのインターフェイスを極めて慎重に規制している。

画像クレジット:Quynh Anh Nguyen

ロシアも徐々にそのアプローチに傾いていて、今年始めにプーチン大統領はRunetに関する法律に署名している。Runetは上記のような規制が必要になった場合(あるいは都合が良くなった場合)に、分離された内部インターネットを維持するために必要なインフラストラクチャを構築するためのものだ。

プーチン大統領は今週初めに国営の報道機関であるタス通信に対して、これは純粋に防衛的な措置であると説明した。

その説明によれば、Runetは「主に海外から管理されているグローバルネットワークからの、世界的規模の切断の悪影響を防ぐことのみを目的としています。インターネットから切断されないようにオンにできる自分たちのリソースを持つこと、これがポイントで、主権というものなのです」ということだ。

BBCによって伝えられた、タスとプラウダからのより新しい報告によれば、この動きが理論上のものから実践的なものになったことを示している。いわゆるモノのインターネット(IoT)の脆弱性に関するテストも行われた。もしロシアのIoTデバイスのセキュリティ慣行が米国同様にお粗末なものるなら、それは残念なことだったに違いない。また、ローカルネットが、どのようなものであれ「外部の負の影響」に立ち向かうことができるかどうかも調査された。

ロシアがここで試みていることは、小規模な仕事ではない。表向きは主権と堅牢なインフラストラクチャについての話だが、米国、ロシア、中国、北朝鮮、および高度なサイバー戦争能力を持つ他の国々との間の緊張関係も間違いなくその一部だ。

世界から切り離されたロシアのインターネットは、現段階ではおそらくほとんど機能しないだろう。ロシアは他の国と同様、常に世界のどこか別の場所にある資源に依存しており、もし国が何らかの理由で殻に閉じこもってしまった場合、インターネットが通常通りに機能するためには、そうした資源の多くを複製する必要があるだろう。

国の一部から他の場所に直接接続する物理インフラストラクチャと同様に、現在は国際接続を介して接続する必要があるDNSも別個のシステムが必要になるだろう。そして、それは単に、ロシアのイントラネットを機能させる基本的な可能性を生み出すために行われる。

堅固な「主権インターネット」が必要になる、という考えに反対するのは難しいが、それは国家インフラへの単純な投資というよりは、紛争への準備だと考えざるを得ない。

とは言うものの、Runetがどのように成長し、どのように使用されるかは、その機能と意図された目的に関するより具体的なレポートを受け取るまでは、推測の範囲を越えることはない。

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(翻訳:sako)

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最大荷重約200kg、小型航空機のようなPykanoドローンで大農場の農薬散布を自動化する

現代の農業は、農地が圧倒的に広大なので、噴霧などの作業も非常に難しい。そこでPykaは、もっぱら人力に頼っていたその仕事を翼のある自動運転の電動航空機にやらせることにし、しかも規制当局からの認可まで取得した。

DroneSeedで見たように、噴霧などの作業を行うための飛行はとても危険だ。地表すれすれを飛ばなければならないし、しかも地面以外の障害物もある。しかしそれは、自動化に適した作業でもある。いくつかの飛行パターンを、何度も何度も繰り返す作業だからだ。

Pykaのやり方は、ドローンでよく行われている方法とは異なっている。ドローンを用いる場合、その方法は複数の回転翼による操縦のしやすさと離着陸の容易さを活かす傾向にあるが、しかしながら、ドローンは大農場に散布に必要な大量の農薬などを搭載できない(残念ながら)。

Pykaが作った航空機は、従来からある薬剤散布用の単座機に似ているが、コックピットがない。3枚のプロペラを持ち、内部スペースのほとんどは、荷物とバッテリーを搭載するために使われている(最大荷重約200kg)。もちろん自動飛行のために、一連のセンサーシステムとコンピューターも搭載している。

Pykaの平地離陸距離はわずか50メートルなので、わざわざ滑走路を作ったり、遠方から目的の農地までの長距離をフライトしてエネルギーを浪費することもない。面倒といえばバッテリーの交換だが、それは地上のクルーがやってくれる。地上クルーはフライトコースの決定も行うが、実際の飛行経路選択と一瞬の判断は搭載されたコンピューターが担当する。

人間の入力がなくても障害物を見分ける航跡の例

このEgretと呼ばれる飛行機の噴霧能力は、1時間約100エーカーで、ヘリコプターとほぼ同じだが、自動運転航空機なのでその精度は高く、より低空をフライトできる。難しい操縦を人間が行わないため、その点でも安全だ。

さらに重要なのは、国のお墨付きがあるということだろう。Pykaの主張によると、同社は世界で初めて、電動の大型自動操縦航空機の商用化を認められた企業だ。小型ドローンはあちこちで承認されているが、EgretはPiper Cubといった従来の小型航空機のサイズに近い。

ただし航空機だけに関してはそれで良いが、大規模展開については他の問題もある。航空管制や他の航空機との通信、それに関連した機体の認可条件、センサーの能力と回避能力の長距離化などがそれになる。しかしPykaのEgretは、これまでに試験農場で何千マイルもフライトしているため、特別に認可を取得することができた。なお、Pykaは同社のビジネスモデルや顧客、売り上げに関しては口をつぐんでいる。

同社の創業チーム、Michael Norcia(マイケル・ノルチャ)氏、Chuma Ogunwole(チュマ・オグンウォル)氏、Kyle Moore(カイル・ムーア)氏、そしてNathan White(ネイサン・ホワイト)氏らは、いずれも関連分野のさまざまな有名企業の出身。それらはCora、Kittyhawk、Joby Aviation、Google X、Waymo、Morgan Stanley(の元COO)などだ。

同社の1100万ドル(約12億円)のシードラウンドをPrime Movers Labがリードし、これにY Combinator、Greycroft、Data Collective、そしてBold Capital Partnersが参加した。

画像クレジット: Pyka

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

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1mmのダビデ像を3Dプリンターで出力、ミクロ・アンジェロだ!

3Dプリンティングはもうあらゆる産業分野で利用されているので、いまさらデモをしなくも誰もがその有用性を知っている。しかし、だからといってデモがなくなるわけではない。そのほとんどは「またか」というものだが、中には驚かされるケースもある。その1つが高さ1ミリメートルのダビデ像だ。ミケランジェロの有名な彫刻を、新しいテクノロジーを用いて銅で出力したのだという。

タイニー・ダビデと名づけられたミニ彫刻は、スイス連邦工科大学チューリッヒ校のスピンオフ企業、Cytosurge(サイトサージ)からさらにスピンオフしたExaddon(エクサドン)が製作した。幅は1ミリメートルの数分の1、重量は0.002ミリグラム(2マイクログラム)しかない。

用いられた3プリンターはCERESと呼ばれ、イオン化された液状の銅の微粒子を噴霧する。噴霧量は1秒あたりフェムトリットル(1000兆分の1リットル)のレベルだという。直径が1000分の1ミリメートル程度の物体まで出力可能で、タイニー・ダビデのプリントには12時間かかった。もっと簡単な構造の物体であれば、もちろんずっと速くできたはずだ。

出力された像のディテールは驚くべきものだ。当然、ミケランジェロの傑作をこのサイズで100%表現するのは不可能だが、髪の毛や筋肉まで見事に再現されている。仕上げのバフがけや外部の支持構造などはいっさい必要としなかった。

もちろん高度なリソグラフィーの技術を使えば、ナノメートル級の微細な構造を作ることはできるが、これは半導体チップ製造でもわかるとおり、途方もなく金のかかる大掛かりな設備を専門家が細心の注意を払って操作しなければならない。3Dプリンターなら、データさえ与えれば任意の形状の3Dプリントを、室温で数時間のうちに出力できる。

CERES 3Dプリンター

もっともExaddonの専門家によれば、やはりノウハウが必要だったようだ。

ExaddonのGiorgio Ercolano(ジョルジオ・エルコラーノ)氏のブログ記事によれば「タイニー・ダビデは、ミケランジェロの傑作の単なるミニチュアではない。製作に使う3Dコンピュータモデルの元データにはオープンソースのCADファイルを利用したが、3D出力が可能なマシンコードに変換には、3Dプリンティングのプロセスに関する深い理解が不可欠だった。我々は元データを微少部分へとスライスしたが、ここにCERESの積層マイクロ製造システムの核心部分がある」という。

もちろん縮小化にも限界があり、マイクロメートルのサイズでは、ダビデ像は子供用の色粘土で作ったヘビのように見える。しかし、いずれはこうしたサイズでも3D出力できるようになるのだろう。

Exaddonのテクノロジーは Micromachinesに詳細が発表されている。最初に開発されたのは数年前だが、改良を重ねて当時よりはるかに進歩しているということだ。

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滑川海彦@Facebook

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DJIが地上でもトップを狙う、カメラ搭載オフロード車の特許を出願

DJIはカメラドローンにおいて圧倒的にトップに位置する企業だが、地上を走る移動型カメラでは、トップと呼べる企業はほとんど存在しない。後者では、むしろブランド不在な状況だ。そこでDJIは、そのすき間を自らうめる気なのかもしれない。同社は最近、スタビライザーを搭載したカメラを持つ小型のオフロード車で特許を出願した。

DJIの中国における特許を最初に見つけたのはDroneDJ(ドローンDJ)だが、図によると小型のオフロード車はかなり本格的なもので、太いタイヤとカメラとジンバルがスタビライザーに搭載されている。上図からもわかるように、カメラの取り付け台はスプリングと気圧装置で衝撃から保護されている。突然の動きでも、カメラはぶれないのだろう。

この図は、製品の概念を示すものとしては複雑過ぎる。本物の設計図面に手を加えただけかもしれない。そうだとしても、すぐに市場に出てくるとは限らない。しかし、DJIの技術者たちが実際に取り組んでいる本物のプロジェクトであることは確実だろう。

空を飛ぶドローンで十分なのに、なぜ地上用のドローンが必要なのか? ひとつの理由はバッテリー寿命だ。空を飛ぶドローンは、空を飛ぶからこそ運用時間が短い。さらに重いカメラやレンズがバッテリー寿命の短さに貢献する。ドローンが上空からの視点を諦めて地上を走ることにしたら、もちろん運用時間は長くなる。

さらに重要なのは、地上を走るドローンはおそらく空撮が不可能な場所でも利用できることだ。安全点検のために、施設や機器装置の内部や下を走らせることができる。住宅の点検もその例のひとつだ。また、人がいるところでは離陸と着陸を頻繁に繰り返すドローンは危険で使いづらい。

おそらくDJIは蓄積されたドローンの経験から、市場にはたくさんのニッチが存在していること学んだのだろう。しかもドローンの普及によって人々は、どんなところでも自動ロボットで撮影できるはず、と考えている。たとえばDisrupt Berlinで優勝したScaled Robotics(スケールロボテックス)は、骨が折れる建設現場の点検を自動化する。

関連記事: Scaled Robotics keeps an autonomous eye on busy construction sites…建設現場を自動運転で監視するロボット(未訳)

実のところ、DJIにはすでにRoboMaster S1という地上型ロボットがある。それは教育玩具に近いものだが、その使われ方の中には今回の地上型ドローンの開発のヒントになったものが、きっとあるのだろう。

この小さな車が本当に市販されるのか、それはまだわからないが、カメラを搭載した小さな自動運転車が、家やオフィスで本格的な仕事をこなす可能性を、本気で考え始める契機にはなるだろう。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

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電子たばこによる肺疾患が減少傾向、原因はカートリッジの切断剤か

CDC(米疾病予防管理センター)は、電子たばこに関連する肺疾患がピークから減少に転じ、以前から疑われていたビタミンEアセテートが流行の主な原因だとするレポートを発行した。この病気により少なくとも54人の命が奪われ、全米で2506人が罹患した。

今ではEVALI(電子たばこ、またはベーピング製品の使用に関連する肺損傷)という正式名称の疾患が夏の間に現れ、何百人もの人々から胸痛、息切れなどの症状が報告された。州の医療当局とCDCが各症例のメモを比べ始めてみると、いずれの症例でもベーピング(気化式たばこ)が問題であることが明らかになった。とりわけ、THC(大麻に含まれる有害成分)製品の使用が注目された。

CDCは直ちに、あらゆる気化式たばこ製品の使用中止を推奨し、報告事例を照合しつつ全国からサンプルを募集した。医療当局は今回、この疾患に関していくつかの報告書を出した。最も重要な発見は、前回の発表同様、少なくともビタミンEアセテート(酢酸エステル)がこの症状の主要因であるということだ。ビタミンEアセテートは、低品質の気化式たばこカートリッジの添加物として使われる油性物質だ。

以前の研究に基づき、CDCは16州のEVALI患者の気管支肺胞洗浄液(BAL)を多数分析し、健康な人のBALと比較した。FDA(米食品医薬局)と州の研究所が検証した製品サンプルにも含まれていたビタミンEアセテートは、51人のEVALI患者のうち48人のBALで確認され、健康な人のBALでは検出されなかった。

この報告は非常に明確だが、重要なことは、他の要因を排除したわけではないことだ。広範に発見されたわけではないが、より毒性が強い添加物が存在する可能性はある。気化式たばこ製品の生産者が、死者を出した今回の失態から信頼を回復する必要があるのは明らかだ。キーワードは透明性と規制だ。

気化式たばこはすぐに脚光を浴び、効果的に規制することが困難なことがはっきりした。今や致命的だと証明された混和物を含むカートリッジにスタンプを押して販売していた怪しげな会社は、おそらくもう立ち直って次の詐欺を考えているはずだ。

良いニュースは、流行の規模がおそらくピークを迎えたことだ。まだ新しい症例は発生しているが、患者の数が毎月急増しているわけではない。おそらく、人々がCDCの助言を聞き入れて気化式たばこの使用を減らしたり止めたりしたため、また添加剤を使用した製品が市場から静かに撤退したためだと思われる。

画像クレジット :Tom Eversley / EyeEm / Getty Images under a license..

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(翻訳:Mizoguchi)

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ロボコール遮断法案が上院通過、大統領の署名待ちに

大統領弾劾をめぐって両党が激しく対立している中で、米国上院はある法案を超党派で議決した。あとは、大統領が署名すれば法律が成立する。そのTRACED法(Telephone Robocall Abuse Criminal Enforcement Act、電話のロボコール濫用を犯罪とする法律)は、ロボコールが呼び出し音を鳴らす前にキャリアがそれを封ずることを義務付け、特に悪質なものはFCCに捜査権を与える。

下院エネルギーおよび商業委員会の法案共同提案者は:「不法なロボコールを遮断するこの法案を下院が速やかに可決したことは喜ばしい。我々は米国の人びとがこれらのしつこい不法な起呼から解放されるために懸命な努力を行った。この超党派の圧倒的多数で議決された法案に、大統領がきわめて速やかに署名することを期待する」。

関連記事: 米下院と上院が迷惑電話のロボコール対策法案で合意、早急の制定目指す

さまざまなケースが超党派と呼ばれるが、これは本物だ。上院と下院で法案の2つのバージョンが生まれ、どちらも圧倒的多数で議決された。関連する委員会が共同で両案を生かした統一バージョンの法案を作り、その後わずか1カ月でホワイトハウスに渡って大統領の署名を待つことになったのだから、すごいことだ。

法案の要約はここで読めるが、要約すると以下のようになる。

  • ロボコール迷惑行為に対するFCCの出訴期限を延長し、罰金を増額する
  • FCCはスパムコールとスパムテキストから消費者を護るための規則を作る(すでに着手)
  • FCCはロボコール対策に関する年報を作りFCC推奨の法案を作成する
  • 発信者電話番号の詐称を防止するためにSTIR/SHAKENフレームワークの適切なタイムラインを採用する
  • キャリアは上記サービスに課金せず、ありうる過誤を犯すことから自力で自己を遮蔽する
  • 司法長官は犯行者の訴追のために多省庁にまたがる特別調査委員会を召集する
  • 司法省は犯行者を訴追できる。
  • 規則が実効していることを確認するための切り抜き作成や調査を行い、関連団体などからのフィードバックが確実にあるように図る

この特定の問題に具体的にフォーカスしているという意味で、これはいい法案のようだ。余計なものは何もない。早く署名され、早く法律として発効することを望みたい。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

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PS4の操作性を向上させるDUALSHOCK 4用の公式「背面ボタンアタッチメント」

PS4のコントローラーで操作する際、多くの人が主に親指と人さし指を使っているが、怠けているほかの指も使えたら操作性はアップするはずだ。というわけで、ソニーから登場したのがDUALSHOCK 4の背面に2つのボタンを追加するアタッチメントだ。

背面ボタンアタッチメントという製品名はベタなものだと思うが、PS4の公式アクセサリとなり。ワイヤレス・コントローラー、DUALSHOCK 4の背面ポートに取り付ける。2つのパドルボタンは中指で操作しやすい位置にあり、合計16種類の操作を割り当てることができるという。

アタッチメントの表面には小さなOLEDスクリーンがあり、ボタンの割り当てが「リアルタイムで表示される」とのこと。常に知りたい情報でもないと思うが、設定を切り替えたり、編集したりできるタッチスクリーンになっているのだそうだ。

さすがソニー、天才的?いやいや、リアボタンというアイデアは以前から存在し、Scuf、Astroなどのサードパーティからからプロダクトが販売されていた。これらのメーカーのカスタマイズ可能なスティックやボタンは、プロゲーマーのお気に入りだ。ちなみにコントローラーの背面に点字で情報を表示する技術はMicrosoft(マイクロソフト)が特許を取得している。

パフォーマンス志向のゲーマーが全員、サードパーティのギアを使っている状況は、ソニーにとっては好ましくないものだが、PS5が準備されている中でDualShock 4.5といった新しいコントローラーをリリースしてもあまり意味がない。アタッチメントの発売は、なかなか賢明な判断だ。それにパススルーで使える3.5mmのヘッドフォンジャックがあるので、手持ちのヘッドフォンも使用できる。

価格も税別2980円と手ごろなので、ScufやAstroのコントローラーを買うほどでもないカジュアルなプレイヤーの衝動買いも期待できる。残念ながら、背面ボタンアタッチメントはクリスマスには間に合わない。発売は年明け(日本では2020年1月16日予定)になるが、1月7日からラスベガスで開催されるCES 2020には展示されるはずだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

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労働組合への妨害でサムスン電子の取締役会議長に1年半の実刑

またもSamsung Electronics(サムスン電子)の経営陣の1人に実刑判決が出た。今回懲役1年6カ月の実刑を言い渡されたのは、サムスン電子で取締役会長を務めるイ・サンフン(李相勲)氏だ。最近の捜査でイ氏がサムスンの組合を潰そうと他のトップと共謀した「決定的証拠」が出たのだという。これが韓国の労働法規に違反するとされた。

捜査の始まりは2013年にさかのぼる。サムスンから流出した文書に社員の組合活動に対抗する方法が詳しく述べられていた。複雑な関与を明らかにするために捜査は何年にもわたったが、結局、10人以上のサムスン幹部が起訴されることとなった。

イ氏に対する起訴は一度取り下げられたが、昨年、別件でサムスンが家宅捜索を受けた際に新たな証拠が発見されたとして再度起訴された。発見された文書が容疑を裏付けたため本日の判決となったという。イ氏は控訴の見込みだ。ウォールストリート・ジャーナルが最初にこのニュースを伝えた。

サムスン電子社長で韓国系米国人のヤング・ソン(Young Sohn)氏は、先週ベルリンで開催されたTechCrunch Disruptに登壇している。これはイ氏の実刑判決が出る前だったが、他の数名のサムスン幹部はすでに有罪判決を受けていた。この問題についてTechchCrunchのマネージングエディターであるMatt Burns(マット・バーンズ)はソン氏に「何があったのか?」と尋ねた。当初ソン氏は(有罪となった幹部は)サムスン電子の社員ではなく、グループ内の他企業に属していると答え、「複雑な法律問題には答えられない。いずれにせよ(幹部らの)個人的問題だ」と述べた。

ソン氏はまた「起訴されたが有罪と証明されたわけではない」と述べた。もちろん判決が出る前であれば正しい。しかし有罪判決を受けた後はそうは言えないだろう。もちろん被告人らが控訴すればまた裁判中となる。

ただしソン氏は「規模の大小を問わず、どんな企業であれ明確な価値の基準と倫理を持つことは非常に重要だ。正しい仕事の仕方を管理職に継続的に徹底し、訓練していかねばならない」と認めた。

残念ながらここ数年、サムスンにおける価値の基準と倫理は明確ではなかったようだ。サムスンは一貫して明白に組合の結成や組合活動に敵対していたことが認定された。ソン氏がサムスンに加わったのは8カ月前であり、スキャンダルが始まった時期よりはるか後のことなので、法的、ビジネス的紛糾からサムスンを救い出し、正しい方向に舵取りをしてくれると期待していいだろう。

今回の判決で労働組合潰しに関する捜査はひと段落となるだろうが、これほど大規模な犯罪にトップが深く関わっていたのが認定されたことは、サムスンのイメージを大きく傷つけた。

画像:Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

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Rocket Labが米国内の発射施設を披露、顧客第1号は米空軍

衛星打ち上げのRocket Lab(ロケットラボ)は、同社にとって米国初の発射施設であるLaunch Complex 2(LC-2)を公開し、軌道への柔軟なアクセスを提供する。そしてLC-2の最初の顧客はもう決まっている。米空軍のSpace Test Program(STP)だ。

NASAのワロップス飛行施設と同じバージニア州ワロップス島に位置する同社の施設は、今日(米国時間12/12)ちょっとしたお祭り騒ぎだった。2018年10月の発表以来工事が続いていたLC-2がついにベールを脱いだ。

2018年10月に着工を祝って鍬を入れるチームメンバー

FC-2は何か斬新なコンセプトがあるというわけではなく、典型的な発射台とロケットの保管、検査、燃料補給などが行われる支援設備からなる。ただし、Rocket Labにとって最大のポイントは、これが米国内にあることだ。これまで同社は10回の商用飛行すべてを、会社の拠点であるニュージーランドのLaunch Complex 1から発射していた。

新たな施設は間もなく使用が開始される。最初に軌道へ貨物を送り込むのは米国空軍で、2020年第2四半期の打ち上げを予定している。このミッション、STP-27RMについてわかっているのは「将来必要になる新機能をテストする」予定であることだけだ。

関連記事:Rocket Lab launches 10th Electron mission with successful rocket booster re-entry

「米国空軍のSpace Test Programの貨物をLaunch Complex 2初のミッションとして打ち上げられる名誉に感謝している」とRocket Labのファウンダー・CEO Peter Beck氏がプレスリリースで語った。「すでにわれわれはLaunch Complex 1からSTPの貨物をElectronロケットで打ち上げることに成功しており、それと同じ、スピーディーでレスポンスの良い柔軟な軌道へのアクセスを米国の地で提供できることを誇りに思う」

現在LC-2の設備では年間「わずか」12回の打ち上げにしか対応できないが、LC-1は理論的には120回の発射が可能だ。Rocket Labがその数に達するにはまだほど遠いが、迅速なスケジュール調整にかけてこれまでの実績は完璧に近く、達成に向けて順調に進んでいる。最終目標は毎週あるいはそれ以上のペースで打ち上げることだ。そのためには発射施設が多ければ多いほどいい。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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中国が見せつける最新の高解像度3D衛星画像

中国は11月に画像撮影用衛星Gaofen-7を打ち上げた。今回、その高解像度の3D画像を初めて公開した。この衛星は、その高度に対して精度は十分に高く、500km上空から一人の人間を識別できるほど。

Gaofen-7は、中国が保持する軌道上の撮影能力を一新することを意図して、全部で14機が計画されている衛星群の最新のもの。Planetのような企業が、数百機もの衛星を打ち上げて、地形ビジネス用に最新の画像を提供しようとしている中、他の国々と同様中国も独自のもの保有したいと考えるのは当然だろう。

すでにGaofenプロジェクトは、このように重要なデータに対する外国の情報源への依存度を大幅に低減してきている。国外からの情報は、他の技術分野での摩擦を見れば分かるように、常に信頼できるとは限らないからだ。

新しい衛星が投入されるたびに、新たな軌道と最新の機器を使って、その領域に独自の、あるいは進化した機能を配置してきた。Gaofen-7では、マルチスペクトル対応カメラと、高精度のレーザー高度計を組み合わせて、構造物や地形について非常に精度の高い3D画像が得られる。

この画像は、明らかにフル解像度のものではないが、撮影可能なディテールのレベルを感じ取ることはできるはず

理想的な条件なら、衛星は1m以下の解像度でカラー画像を生成できる。つまり、幅1m未満のオブジェクトを、深度の解像度については約1.5mで検出できる。もし人が横になっていても検出可能だし、立っていたとしても識別できるだろう。

もちろん、1インチ(約2.54cm)ほどの高さまでも検出可能なNASAのICESat-2のような科学計測器の精度にはほど遠い。しかし、Gaofen-7は、どちらかと言えば汎用衛星であり、測量や建設などを目的としたものなのだ。

「これは、土地を測定するための正確な定規のようなものです」と、この衛星の主任設計者であるCao Haiyi(カオ・ハイイー)氏は、中国国営の新華社通信に語った。「過去には、測量と地図作成の仕事は労働集約型の作業で、数カ月、あるいは数年もかかるものでした。新しい衛星を使えば、こうしたタスクは数分で完了できます。Gaofen-7の打ち上げ前は、正確に測定できたのは高速道路の位置くらいでしたが、現在はGaofen-7によって、田舎の道でも正確に計測できます」。

Gaofen-7はすでに数千枚の画像を撮影しており、今後少なくとも8年間は軌道上の撮影が続くことになる。このプロジェクトの画像の一部は、全世界に公開される予定だが、Gaofen-7が撮影した画像については、おそらく今後しばらくの間は非公開となるはずだ。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

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アップルは70万円超のApple Pro Display XDRの手入れに専用クロスの使用を推奨、なぜ?

7000ドル(約76万円)のApple Pro Display XDRの物語にこれ以上突飛なことは起こらないと思っている人は、思いがけないおまけに驚かないでほしい。Apple(アップル)はモニターに付属の特別なクリーニングクロス以外は使わないようにと警告している。なくしたときは、追加注文することが推奨されている。

とどまることを知らない価格上昇で、すでに長年のユーザーから批判されていたアップルは、6月にこのハイエンドのモニターを発表したことで、少なからぬ怒りと冷笑を買った。もちろん、高価なディスプレイはほかにもたくさんある。問題は、アップルがディスプレイを5000ドル(約54万円)で販売し、別売りのスタンドが999ドル(約10万8000円)、オプションの「ナノテクスチャー」コーティングをつけるとさらに1000ドル(約10万8000円)かかることだ(編集部注:日本ではナノテクスチャと標準ガラスの価格差は7万円)。

一緒に使うMac Proの値段を見るまで驚くのは待ったほうがいい(日本では標準ガラスが52万9800円、ナノテクスチャーガラスが59万9800円)

厳密にはこれは「コーティング」ではなく、表面に施された超微細なエッチングで、フルマット・コーティングの欠点をなくしながら画像品質を改善する。「標準的なマット仕上げのディスプレイでは、光を散乱させるコーティングが表面に加えられています。こうしたコーティングはコントラストを下げ、不要なかすみや輝きを引き起こします」と商品説明に書かれている。ナノテクスチャーにはそれがない。残念なことに、このガラスの独特な性質のために、お手入れには特別な注意が必要なのだ。

「ディスプレイに付属のポリッシングクロスを必ず乾いた状態で使い」とサポートページの「Apple Pro Display XDR のお手入れ方法」に書かれている。「付属のクロス以外は使わないでください。付属のポリッシングクロスを紛失した場合は、アップルにお問い合わせの上、交換用のポリッシングクロスをご注文ください」とのことだ。なお、価格は書かれていなかったので、現在アップルに問い合わせている。

関連記事:Apple releases the $5,000 Pro Display XDR, a 32-inch, 6K display available this fall

高価なディスプレイの手入れに液体洗剤やクシャクシャにした新聞紙を使わないのは当然だ。しかし、アップルのクロスと普通のマイクロファイバー布と何が違うのかはよくわからない。

通常の布はナノスケールの凹凸に引っかかって繊維が隙間に入ってしまうのだろうか。ナノテクスチャーは十分に柔らかいもの以外では傷つけられてしまうのだろうか。

アップルは消費者にかなりの勇敢さを求めているようだ。効果が不明確(コーティングのないディスプレイも「極めて低い反射率」であることをアップルも認めている)なだけでなく、ごくわずかな不注意によっても傷つけられそうなものに、大枚をはたかなくてはならないのだから。

Pro Display XDRが美しいディスプレイであることに疑いはないし、価格に見合うと思う人だけが買うに違いない。しかし、ガジェットに細心の注意を払わなくてはいけないことを喜ぶ人はいないし、アップル製品はどんどん壊れやすく修理しにくくなっている。特製のクリーニングクロスは小さくてどうでもいいことかもしれないが、憂慮すべき大きなトレンドの一端でもある。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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供給電圧を変化させてプロセッサを攻撃する新ハッキング手法「プランダーボルト」が発見される

現代のデバイスは無数のソフトウェア攻撃から保護されている。だがPlundervolt(プランダーボルト、略奪的電圧)と呼ばれる新しい攻撃手法は、物理的手段を使用してチップのセキュリティを破る。攻撃者は供給されている電気量を調整することでチップを欺き、最も奥にある秘密を暴くのだ。

画像クレジット: Ian Cuming / Getty Images

プランダーボルトはインテルのプロセッサーで発生したメルトダウンやスペクターのような大規模な欠陥ではないが、強力かつユニークな手法であり、チップの設計方法を変えてしまう可能性があることに注目してほしい。

プランダーボルトがチップを攻撃する仕組みを理解するためには、2つの重要な点を知る必要がある。

1つ目は、最近のチップには、特定のタイミングで消費する電力に関して、非常に厳密で複雑なルールがあるという点だ。チップは24時間365日フル稼働しているわけではない。もしそうならすぐにバッテリーが枯渇して大量の熱が発生してしまう。従って最近の効率的なチップ設計では、特定のタスクに対してプロセッサーが必要となる電力を過不足なく正確に供給するようになっている。

2つ目は、他の多くのチップと同様にインテルのチップにはセキュアエンクレーブと呼ばれるプロセッサーを備えているという点だ。セキュアエンクレーブは暗号処理などの重要な処理が行われるチップ内の特別な隔離エリアだ(エンクレーブはもともとは「飛び地」という意味)。このエンクレーブ(ここではSGXと呼ぶ)には通常のプロセスからはアクセスできないため、コンピューターが完全にハッキングされても攻撃者は内部のデータにアクセスすることができない。

好奇心の強いセキュリティ研究者がたちが、リバースエンジニアリングを通して最近発見したインテルチップが自身の電力を管理する隠れたチャネルに関する研究が、プランダーボルトの作成者の興味を刺激した。

このチャネルは隠されてはいるが、アクセス不可ではないと判明した。もし多数の攻撃手段が存在しているOSの制御ができたならば、チップの電圧を制御している「モデル特有レジスター」を狙うことも可能になり、思うがままに電圧を変えられるようになる。

しかし、最新のプロセッサは極めて慎重に調整されているため、こうした調整は通常チップの誤動作を引き起こすだけだ。ここでのポイントは、意図する誤動作を正確に引き起こすために、ちょうど十分な調整だけを実行するということだ。また、すべてのプロセスがチップ内で行われるため、外部からの攻撃に対する保護機構には効果がない。

プランダーボルト攻撃は、隠しレジスターを使用して、セキュアエンクレーブが重要なタスクを実行しているまさにその瞬間、チップに流れる電圧をわずかに変化させる。そうすることでSGX内で予測可能な障害を誘発させることが可能となり、これらの巧みに制御された障害によって、SGXと関連プロセスに特権的な情報を公開させられることになる。またこのプランダーボルト攻撃はOSへのフルアクセスが前提だが、リモートで実行することも可能だ。

ある意味では、これは非常に原始的な攻撃だ。ガムボールマシンのように、基本的に適切なタイミングでチップを強打することによって、何か良いものを吐き出させられるということだ。もちろん、実際には非常に洗練されていいる。この場合の「強打」はミリボルト単位の電気的操作であり、マイクロ秒刻みで正確に行う必要がある。

研究者たちは、プランダーボルトへの対応はインテルによってある程度対応することが可能だが、通常のユーザーが一切意識することがないBIOSおよびマイクロコードレベルでの更新によってのみ可能だと説明している。幸いなことに、重要なシステムでは別のデバイスと信頼できる接続を確立する際に、攻撃手段に対するパッチが当たっているかどうかを確認する方法がある。

インテルは、プランダーボルト攻撃の深刻さをより控え目に表現している。「この種の問題に『ボルトジョッキー(VoltJockey、電圧騎手)』とか『プランダーボルト』といった興味深い名前を付けた、さまざまな学術研究者による発表があることを私たちは知っています」と、同社はブログの中で悪用の可能性が存在することを認めている。「これらの問題が、実際に起こった事例は報告されていませんが、いつものようにできるだけ早くセキュリティ更新プログラムをインストールすることをお勧めします」。

プランダーボルトは、ここ数年におけるコンピューティングハードウェアの進化を利用する最近出現した攻撃手段の1つだ。通常、効率の向上は複雑さの増大を意味するが、プランダーボルトのようなこれまで存在しなかった面でも攻撃される可能性の増加も意味している。

プランダーボルトを発見し報告したのは、英国のバーミンガム大学、オーストリアのグラーツ工科大学、そしてベルギーのルーベンカトリック大学の研究者たちだ。彼らはIEEE S&P 2020で論文を発表する予定だ。

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(翻訳:sako)

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中国が政府機関での外国製PCやOSの使用を禁止

伝えられたところによれば、中国は外国製のPCハードウェアやOSを3年以内に国産のものに切り替えるよう命じた。これは現在展開されているテック戦争をさらに激化させることになる。中国は以前、この手のものを中途半端に試みたことがあるが、今回は西洋のテック部門の影響を排除しようとかなり真剣だ。

中国のテックアナリストの話として報じたFinancial Timesのレポートによると、禁止命令は中国政府高官から今年初めに出された。単に米国や欧州のソフトウェアやOSを国産のものに切り替えるだけでなく、ハードウェアも対象となる。

中国は以前、西欧のソフトウェアの追放を命じた。しかしそれは特定のセキュリティ問題に限定されていた。また5年前にはAndroidやWindowsの排除を試みたが、結局それは失敗に終わった。

今回はまったく違うことになりそうだ。米国と中国の関係は、少なくとも特にテック業界では緊張状態にあり、2国はライバルという関係から敵対関係に変わった。米国は最近、ZTEやHuawei(ファーウェイ)のような中国大手ハードウェアメーカーの製品を米国のインフラに使用することを禁止する措置を取った。ちなみにファーウェイは、この禁止措置は「憲法違反」で、多方面の政策も亀裂を深めたと主張している。

中国側の今回の措置は驚きではない。2020年末までにコンピューターとソフトウェアの30%を国産のものに変え、2021年に追加で50%、そして残り20%の切り替えを2022年に実行する。

「3-5-2」の3カ年計画は野心的なものと言わざるを得ない。幾千万というデバイスを交換する必要があるが、HP製のものを中国で製造されたものに交換するほどにシンプルではない。部品やソフトウェアも中国製のものでなければならないのだ。つまりIntel(インテル)やAMDのプロセッサー、Nvidia(エヌビディア)のGPU、ARMのアーキテクチャ、ソニーのイメージプロセッサーなどは不可となる。

しかしこれはさほどショッキングなことではないのかもしれない。というのも、多くの中国企業が何年もこうした事態に備えてきたからだ。中国は、特に米国企業に頼らなくてもいいようにしたいと考えていて、政府が支援している多くの企業はすでに米国サプライヤーを使うことを許されていなかった。

たとえそうにしろ、WindowsやAndroidに似た中国製のプロダクトは成熟にはまだ遠く、問題なく交換できるというレベルには至っていない。また米国製プロダクト使用の禁止は、中国が描いていたAIのエコシステムの席巻など、他の取り組みを無にしてしまうかもしれない。もし中国政府が支援する研究者が世界の他の学者や民間研究者が使っているのと同じツールを使うことができなければ、その結果は厳しいものになることが予想される。

禁止措置の詳細はまだ明らかになっていないが、実行に移されるにともない漏れ出てくるはずだ。サプライヤーやデベロッパー、メーカーはこれまでとは異なるマーケットの誘導を学ぶことになり、禁止措置は業界を大きく変えるものになることが予想される。

画像クレジット: IvancoVlad / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi)

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Uberの致命的な事故に関する集計結果は低い値を示しているが、重要な数字が除外されている

Uberがリリースしたばかりの米国内安全性報告書 は、致命的な事故の件数をある程度詳しく述べている。良いニュースは、走行距離(マイル)あたりの全体の致命的事故発生率が、全国平均の約半分であることだ。しかし、レポートに含まれるものと除外されるものに関して、いくつかの不可解な選択がなされている。

画像クレジット:</strong>ANTHONY WALLACE

レポートの作成のために、Uberはドライバー、ユーザー、そして保険会社から得られた、事故の内部レポートを収集し、米国全土の自動車死亡事故を追跡するデータベースであるFatality Analysis Reporting System(FARS)と比較している。このような手段を用いることで、Uberは2017年と2018年の合計で、合わせて107人の死者を出した97件の致命的事故を報告している。

同社はこれに先立ち、2018年の1年だけでも米国では3万6000人以上の人間が車の事故で死んでいることを指摘しているため、合計値そのものにはあまり意味がない。そこで、彼らは(他の組織もこの分野で行っているように)これらの事故を走行距離に対する発生率として報告している。10万マイル(約16万km)の走行あたり1回の衝突事故はそれほど悪いものには聞こえない(なにしろたった1回なのだ)。しかしUberの発表した数字に近い10億マイルあたり10回という衝突事故数は、それよりもはるかに優れている(一部の人にとってこれは疑いようもなくはっきりしたことだが、その他の人にとってはそうでもないかもしれない)。

実際の数値を見ると2017年には、82億マイル(約132億km)を超える走行距離の中で「Uber関連」の死亡者は49人だった、これは1億マイル(約1億6000万km)あたり約0.59人である。これが2018年には、103億マイル(約166億km)を超える距離で58人、つまり1億マイルあたり約0.57人だった。全国平均値は1億マイルあたり1.1人を超えているので、全体でみたときの1走行マイルあたりの死亡者数は全国平均の約半分ということになる。

これらの事故は、一般に全国平均よりも遅い速度下で発生し、夜間の都市の照明のある場所でより多く発生していた。ライドシェアサービスは都市に集中し、より短距離で低速な移動に重点がおかれていることを考えると、これは理にかなっている。

この結果は結構なことだが、残念な点がいくつか見受けられる。

第1に、明らかに、致命的でない事故については一切言及されていない。これらを追跡して分類するのは確かに困難だが、それらをまったく含めないのは奇妙に思える。死亡事故率から予想できるように、Uberによる軽い衝突事故や腕の骨折などのより重度の事故が全国平均よりも低いならば、なぜそう書かないのだろう。

これについて尋ねてみたところUberの広報担当者は、致命的ではない事故は、致命的なクラッシュほどは明確に定義または追跡されていないので、一貫して報告することが困難なのだと答えた。それは一理あるが、それでも重要な部分を見逃しているような感じを受ける。致命的な事故は比較的まれなので、むしろ致命的でない事故に関するデータが他の知見を提供してくれるかもしれないからだ。

関連記事:Uberが昨年の性的暴力事例2936件を公表

第2に、Uberには「Uber関連」事故に関する独自の定義がある。当然のことながら、この定義には、ドライバーが乗客のピックアップに向かうときや、車に乗客が乗っているときが含まれている。上記で触れたすべての走行距離と事故は、乗客ピックアップの途中または乗車中のものだ。

しかし、ドライバーが少なくない時間を「デッドヘッディング」(配車を待ちながら走り回ること)に費やしていることはよく知られている。時間帯によって大幅に事情は異なるために、正確にどれだけの時間かを見積もることは難しいが、私はUberがこの時間を除外した決定が正しいとは思わない。結局のところ、タクシードライバーたちは乗客を求めて走っているときは勤務中であり、Uberドライバーたちも目的地を行き来して、乗客を捕まえやすい場所へと移動し続ける必要がある。車に乗客を乗せていない状態で運転することは、間違いなくUberドライバーであることの主要な部分だ。

デッドヘッディングに費やす時間がそれほど長くなく、その間に発生した事故の数が少なかったということは十分に有り得る。しかし、他の解釈も可能だ。私はUberがこのデータを開示することは重要だと考えている。都市や市民は、配車サービスが交通などに与える影響に関心を持っているし、車は乗客にサービスを行っていないときに単に消えてしまったり、事故に遭わなくなったりするわけではないからだ。

Uberにこれについて尋ねたところ広報担当者は、ドライバーは乗客を乗せていなかった場合には事故を報告しない可能性があるため、サービス中に関わる事故データのほうおが「より信頼性が高い」と答えた。だが特に致命的な事故の場合は、いずれにせよ報告は挙がってくるはずなので、その回答も正しいものとは思えない。さらにUberは、FARSのデータを、事故に巻き込まれたドライバーがUber上でオンラインであったかどうかの内部メトリックと比較できるため、データの信頼性はまったく同じとはいかなくとも似たようなものになるはずだ。

広報担当者はまた、ドライバーは特定の瞬間にUberで「オンライン」になっているかもしれないが、実際にはLyftなどの別の配車サービスを使用して誰かを乗せているかもしれないとも説明した。もしそうなら、事故があった場合には、レポートはほぼ確実に他のサービスに行くだろう。それは理解できるが、それでもここには欠けている点があるように感じる。いずれにしても、デッドヘッディング中の走行距離は上で使った合計には含まれていないので、数字をまったく引き出すことができない。従って「オンラインではあるが配車されていない」状況の走行距離は、今のところ一種の盲点のままだ。

完全なレポートはここで読める。

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(翻訳:sako)

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AIの能力をテストするために作られた16種のゲーム

AIが得意とするところを把握するのは、AIを理解する上で最も難しいことの1つ。それを判断できるようにするため、OpenAIは1セットのゲームを開発した。機械学習エージェントが、本当に基本的なスキルを学べているのか、あるいは、ありがちなことだが、単に自分の都合のいいようにシステムを操作する方法を把握しただけなのか、研究者が判断するのに役立つもの。

AI研究ではよくあることで、ぬか喜びしがちなのだが、研究者が求めていることなら、何でもうまくできると見せかけようとして、エージェントがルールを曲解したり、無視したりすることがある。ズルをすることは、既成概念を打ち破るものであるかもしれないが、常に受け入れられるとは限らない。本当の能力を確認するには、ちょっとだけルールを変えて、そのシステムが機能しなくなるかどうか見てみればいい。

実際にエージェントが学んだことは、新たな状況に置かれたときにも、その「スキル」が適用できるかどうかを調べることによって評価できる。状況が変われば、獲得した知識の一部しか適合しなくなるからだ。

たとえば、AIがマリオのようなゲームの遊び方を学んだかどうか判断したいとしよう。右方向に移動しながら障害物を飛び越えるタイプのゲームだ。その場合、左に移動しなければならないようにしたり、障害物の順番を変えたりと、いろいろ状況を変更してみればいい。あるいは、ゲームの中身も変更して、右に進むとモンスターが登場して、AIが攻撃しなければならないようにしてもいいだろう。

もしエージェントが、このようなゲームの遊び方を本当に学んだとすれば、まったく新しいものよりもずっと速く、変更後のゲームの遊び方を習得できるはず。これは「汎化」と呼ばれ、既存の知識を新たな異なる状況に適用するもの。人間なら常にやっていることだ。

OpenAIの研究者は、研究の過程で、こうした状況に何度も遭遇した。そこで、汎化可能なAIの知識を基本レベルでテストできるよう、一種のAIアーケードを設計した。エージェントは、少しずつオーバーラップしつつも、それぞれ異なるゲームのコンセプトを学習したことを証明しなければならない。

彼らが設計した16種類のゲームは、パックマン、スーパーマリオブラザーズ、アステロイドなど、私たちにも馴染みのあるゲームに似ている。違うのは、AIがプレイすることを意識して、最初から作り直されていること。そのため、操作、得点、グラフィックはシンプルなものとなっている。

それぞれが、AIの能力にとって異なるタイプの負担を課す。たとえば、あるゲームでは、数秒間じっと止まってゲーム環境を観察していても、特に支障はないかもしれないが、別のゲームでは、そんなことをしていてはエージェントを危険にさらすことになるかもしれない。またあるゲームでは、AIは周辺まで探検しなければならないが、別のゲームでは、1つの大きなボスの宇宙船に集中すべきかもしれない。しかし、そうした違いは、それぞれ明らかに異なるゲームとして作り込まれている。もちろん多少の違いはあるものの、アタリのゲーム機やファミコン用のゲームと似たところもある。

下のGIFで確認できる16種類のゲームは、左上から右下に向かって順に挙げると、以下のようなもの。

  • Ninja:爆弾を避けたり、手裏剣を投げて迎撃しながら忍者をタワーに登らせる。
  • Coinrun:トラップやモンスターを避けながら進んで、面の右端でコインを獲得する。
  • Plunder:画面の下部から砲弾を発射し、味方の船に当たらないよう敵の船を攻撃する。
  • Caveflyer:アステロイドと同じようにコントロールして洞窟内を移動し、障害物を避けながら敵を撃つ。
  • Jumper:ダブルジャンプするウサギと、ゴールの方向を示すコンパスがあるオープンワールドタイプのプラットフォーム型ゲーム。
  • Miner:土を掘ってダイヤモンドと岩を手に入れる。アタリ製ゲームのような重力が働いている。
  • Maze:さまざまなサイズの、ランダムに生成された迷路をナビゲートする。
  • Bigfish:自分より大きな魚に食べられないよう注意しながら、小さな魚を食べて自分が大きくなる。
  • Chaser:パックマンのようにドットを食べ、戦略的にパワーアップのペレットを取って敵を食べる。
  • Starpilot:敵の弾を避けながら素早く敵の宇宙船を破壊するグラディウスのような撃ち合いゲーム。
  • Bossfight:再生可能なシールドを備え、ランダムに攻撃してくるボス宇宙船と1対1で戦う。
  • Heist:錠と同じ色の鍵を取ることで迷路をナビゲートする。
  • Fruitbot:他のモノを取らないように注意しながら果物だけを集めて、次のレベルに進む。
  • Dodgeball:壁に触れないように部屋を動き回り、他の人の投げたボールに当たらないようにしながら、他の人にボールをぶつける。
  • Climber:星を集めながらモンスターを避けつつ、上のステージに登っていく。
  • Leaper:車や丸太などを避けながら道路を横断するフロッガータイプのゲーム。

AIは、Heist、Maze、Chaserなどのようなグリッドベースのもの得意としても、Jumper、Coinrun、あるいやBossfightのようなものは苦手だと想像できる。そうした傾向は人間と同様かもしれない。それぞれのゲームが、異なるスキルを要求するからだ。ただし、共通するものもある。相手の動きの特徴を把握したり、動いているオブジェクトには意味があることや、画面の特定の領域には入ることができない、といったことを理解する能力だ。即座に汎化して適応できるAIは、汎化がうまくできないAIに比べて、どんなタイプのゲームでも、短時間でマスターする方法を学習できるはずだ。

このようなゲームの1セットと、それに対するエージェントのパフォーマンスを観察して評価する手法は、ProcGenベンチマークと呼ばれている。というのも、ゲームの環境や敵キャラの配置が手続き的に生成される(Procedurally Generated)からだ。このプロジェクトのGitHubページを開けば、より詳しい情報と、自分用のAIテスト環境のビルド方法が解説されている。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

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3行広告のCraigslistに公式アプリがついに登場

派手なウェブサイトやサービスが現れては消える中、Craingslist(クレイグズリスト)は持ちこたえている。そしてこのたび、最大の欠点のひとつが解消された。公式アプリの登場だ。現在iOS版Androidのベータ版が公開されている。アプリはCraigslistを地で行く体験を提供する。便利で飾り気がなく匿名だ。

このアプリについては、ウェブサイトを忠実に再現していること以上特に言うべきことはない。カラースキームも同じだ。すべてのカテゴリーの投稿を閲覧、検索できる。お気に入りに追加したり、検索を保存したり、結果の表示方法を変えることもできる。カテゴリーごとに適切な設定がなされているので、車を探すと走行距離や年式などが表示される。

アカウントがなくても掲示を閲覧したり売り手に連絡することが可能で、連絡方法がすべてポップアップするので、メール、ショートメッセージ、電話のいずれも簡単に利用できる。

もちろんウェブサイトもこれまでどおり利用可能で、こちらを好む人もいるだろう。しかし、ネイティブアプリがあるのはいいことだ。実用本位なサービスの人気に乗じたイミテーションCraiglistアプリを阻止するだけでも価値がある。

Craiglistアプリは12月3日に公開されたばかりだが、すでにチャートを上昇している。今すぐ入手して無料の家具を探そう!

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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【ギフトガイド2019】手ごろで便利な撮影アクセサリー10製品

TechCrunchの年末恒例企画、ギフトガイドにようこそ! 2019年も残りわずかとなったが、読者はクリスマスプレゼントのアイディアを探していたり、この際だから自分も何かいいものを買いたいと考えているかもしれない。我々はトラベル、ビデオ撮影、セキュリティなどのグッズを紹介してきたが、今回は写真撮影に関連するアクセサリをまとめてみた。ほとんどのアイテムは40ドル以下と手頃な価格だ。

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【Japan編集部注】国内で販売されている場合はそのリンクを選んだが、アメリカのサイトに直接注文もできる。

USB-Cハブ

最新のノートパソコンは接続ポートをUSB-Cだけに絞っているものが多い。 USB-Cは多機能、高速で裏表がないなどメリットも大きいが、これだけになってしまうといろいろ不便だ。特にフォトグラファーは困る。このVavaハブ 楽天市場)はフォトグラファーのほとんどあらゆるニーズに答えられるだろう。レガシー・デバイス用のUSBポート、HDMIポート、SDカードリーダーに加えてヘッドフォンジャックもある。写真は60ドルのモデルだが、もっと大型のモデルも小型のモデルもある。必要に応じてEthernetポート、microSDカードリーダーつきが選べる。ひと山いくらでワゴンに載っている安物は避けたほうがいい。大切な情報であれば大切に扱うべきだ。価格は5000円前後。

ハンドストラップ

カメラには必ず首にかけるネックストラップが付属する。しかしいつもこれが最適のストラップとは限らない。ハンドストラップは便利な小道具だ。小型高性能のミラーレスだったらGordyのようなハイエンドのハンドストラップを使うのはいい考えだ。大型レンズを装着したペンタプリズムの一眼だったら 、ほとんどのモデルに適合するPeak DesignのClutchなら安心だ。カメラメーカーはそれぞれ自社製品向けのアクセサリを作っているが、Peak Designの製品には独自の改良を加えたプロダクトがたくさんある。価格は1000円〜4000円。

SDカード/ケース

写真を写す人間にとってSDカードはあり過ぎて困るということはない。カードケースも同様だ。ケースならPelicanは絶対のブランドだ。小さなプラケースに30ドルは高いと思うかもしれないが、クラムシェルの内側にカードがぴたりと収まるフォームラバーのインナーが貼られている。SD自体は現在、32GBがトレンドだ。Sandisk(サンディスク)、Kingston(キングストン)など信頼のおけるメーカーの製品を選ぶことが大切だ。あと、Class 10以上の規格であることを確認すること。これ未満のカードは転送速度が遅く、動画撮影などでは転送が中断することがある。価格は3000円〜4000円。

Adobeフォトプラン1年ぶん

実はこれはちょっと難題だ。LightroomとPhotoshopは素晴らしいソフトで、多数のフォトグラファーがすでに利用している。サブスクリプションをギフトにできたら理想的だが、Adobe(アドビ)にはそのオプションがない。いろいろ調べてみたがついに発見できなかった。読者は何かうまい方法を考えつくだろうか? アドビさん、これを読んでいるなら「ギフト」のオプションを作ってください。価格は1万1760円。

マイクロファイバーティシュ

これも始終使うし、たくさんあっても困らないものの1つだ。フォトグラファーは1日に何度となレンズを清掃しなければならない。ブロワーで空気を吹き付ける派もいれば使い捨てティシュー派もいるがそれぞれ一長一短だ。いずれにせよ、ガラス清掃用のマイクロファイバーは喜ばれるはずだ。カメラのレンズだけでなくスマートフォンやラップトップの画面を拭くにもぴったりだ。多数のプロダクトが売られているが、どれを選んでも品質はあまり変わらない。たいてい10枚入りのパックになっている。価格は1000円前後。

カメラバッグ

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何十万円もするレンズを買いながら安物のくたびれたリュックに入れて持ちあるいているフォトグラファーが多いのには驚いてしまう。優秀なカメラバッグは高価な機器を安全に保護するだけでなく、整理も楽で必要なものを即座に取り出せる。言うまでもなく装着感も良い。そうしたバッグは多数販売されている。選択には我々のBag Week記事を参考にしてほしい。私自身はクラシックが好みなら蝋引きキャンバスとレザーのOnaのビンテージバッグ、現代的なのがよければ合成素材のPeak Designの製品が気に入っている。価格は1万〜4万円。

ソフト・シャッターボタン

ソフト・シャッターボタンといのはニッチなプロダクトだが非常に便利だ。プレゼントする相手が富士フイルムのレンジファインダー風デザインのカメラやライカを使っている場合、大いに喜ばれるだろう。しかも安い。上の写真はMatch Technical Boop-O富士フイルムのX-T3に取り付けたところだ。本体価格25ドルで世界に発送してくれる。優れたカメラだが、このソフトシャッターボタンを取り付けるととっさに押しやすくなり、エルゴノミクスが大きく向上する。XT-3のシャッターボタンにはネジ穴があるので簡単に取り付けできる。X100シリーズ、X-Tシリーズも同様だ。ネジ穴のないタイプのカメラ用の接着式も用意されている。価格は25ドル(約2800円)。

ポータブル照明

写真撮影に使う照明といえばカメラに取り付けるフラッシュを思い浮かべる読者がほとんどだろうが、最近のスマート照明アクセサリの進歩はすごい。そのうちの2つほど紹介する。Lume Cubeシリーズ(写真左がLume Cube Air )、Profoto C1、C1+(写真右の2つ)だ。それぞれ用途はやや異なるが、写真を大きく改善してくれるはずだ。専用カメラだけでなくスマートフォンでの撮影にも好適なツールだ。Profotoはその名のとおり、プロやハイアマをターゲットにしており価格は高めだが、スタジオ照明に近いクオリティの照明をポケットに入れて持ち歩ける。小型軽量で価格も手頃なLume Cubeはアクションカムやドローン撮影に向いている。価格は70〜500ドル(約7700〜5万5000円)。

Gnarbox

Gnarbox 2.0 6

これはポータブルなSSDバックアップデバイスで、先月TechCrunchで詳しく紹介した。本格的なプロダクトなので気軽にギフトにはしにくいが、フォトグラファーが家族や恋人など本当に親しい相手ならうってつけだ。クリエイティブな作業に必須であるだけでなく、相手がすでに1台持っていたとしても「あればあるほどよい」デバイスだ。特に撮影したファイルの量が大きくなりがちなビデオグラファーには必須のアイテムだろう。Gnarboxは出先の撮影現場でバックアップとファイル管理が可能だ。バックアップによって信頼性を高めるだけでなく、長時間の撮影が可能になる。最新の2.0はSSD版で以前のHDD版より高速で衝撃にも強い。

【Japan編集部追記】Amazonの輸入品はGnarbox 2.0の1TBが15万円から20万円以上と大きな開きがある。米国のGnarboxサイトの価格は900ドル+送料+税。

ミニ三脚

ミニ三脚はスマートフォンのカジュアルユーザーからデジタル一眼の本格的なフォトグラファーまで、誰にとっても役立つツールだ。サイズ、価格はさまざまだが、私はManfrotto を推薦する。ミニ三脚はPIXIシリーズだが、これ自体バラエティーが大きい。しかしほとんどのユーザーには入門版のPIXI Miniで十分だろう。これがあれば旅先で背面のLED照明を点灯しメインカメラでセルフィーが撮れるので旅の記憶がすばらしく鮮明になる。少し高価になるが、PIXI EVOは三脚を伸ばすことができるので使い方のバリエーションが広がる。価格は2200〜3800円。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

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アップルとグーグルの地図がロシアのクリミア併合を反映

国際政治というのはたいてい対応が難しいものだ。しかし対立の最中にあっても、地図や検索機能など公平なサービスを提供しようとする企業はどちらかの側につかなければならない。論争の的であるロシアによるウクライナからのクリミア併合に関しては、Apple(アップル)は少なくともロシアの肩をもつことにした。そしてGoogle(グーグル)もまたロシアの要望に沿う措置を取った。

黒海北部にある大きなクリミア半島は、クリミアを巡ってウクライナ国内が政治的に不穏な状態だった2014年にロシアの支配下に置かれた。世界のリーダーたちはこの動きについて「ロシアがウクライナの危機を利用するために故意的に扇動し、軍事力を持ってウクライナの主権を侵した」と表現した。

一連の動きについての議論はまだ続いている一方で(実際、動きそのものもある意味まだ続いている)、アップルやグーグルのような企業は地図アップデートのために、歴史の評価を待つだけの余裕はない。両社とも過去にはクリミアの都市をウクライナの一部として表記していた。しかしロシアが公に両社に苦情を入れ、クリミアをロシア以外の領土と表記することは犯罪行為ととらえられると警告した。そして、両社はロシアに譲歩した。

アップルの地図と天気のアプリはいま、ロシアから閲覧するとクリミアのロケーションをロシアの一部として表示する。ロシア当局は11月27日、「アップルは義務を果たした。アップル端末のアプリはロシアの法に則るものになった」と述べた。

もしあなたが米国から閲覧すると、アップル、グーグルともに中立的なスタンスのようなものを表示する。中立と呼ぶスタンスがあればの話だが。クリミア半島は、アップルとグーグルの地図ではロシアとしてもウクライナとしても表示されず、かなり特異な状態だ。

具体的には、Googleマップではクリミアとヘルソン州(ウクライナの州)の境の北部にははっきりとした線がある。これは他の州の間に引かれている線よりもずいぶん太い。境界線上のヘルソン州をクリックすると、説明とアウトラインが表示されるが、クリミア側をクリックすると何も表示されない。クリミアの都市をランダムにクリックすると、通常は国が表示されるところには何も書かれていない。

アップルとグーグルの地図では、通常はタマン湾をはさんで表示されるクリミアとロシアの境界線がない。湾をはさんだ片側はっきりとロシアの領土と表示されるが、もう片側は国の表示がない。

いつ、どのように地図に変更を加えることを決めたのか、私はグーグルとアップルにコメントを求めたので、返事があればアップデートする。両社とも、現地の法律を遵守しなければならないという事実によって決断を正当化することが考えられる。しかし、同じロケーションに2つの法律が存在している場合はどうなるのか。

アップデート:グーグルの広報は「我々は紛争地域を客観的に表示するよう務めている。Googleマップのローカル版があるところでは、名称や境界線の表示に関しては当地の法律に従う」と話した。

私の主張は、どちらかの肩をもつことではなく、アップルやグーグルのような企業がこうした状況にとても苦慮していて、そうした企業が提供する情報は完全なものでもなければ厳然たるものでもないということだ。今回のケースでは、場所によって異なる結果を表示し、国際的な懸念にもかかわらず特定の政府に譲歩し、論争を避けるためにサービスの一部を非機能的なものにした。

グローバル企業が提供するサービスで情報を調べるとき、心に留めておくべきことがある。それは、そうした企業は客観的なソースではないということだ。

画像クレジット:MLADEN ANTONOV/AFP/Getty Images / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi)

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UCバークレー校が海底光ケーブルを地震計にするテクノロジーを発表

地震の観測は重要な活動だが、精度をアップするためには地震活動が起きている場所になるべく近い地点に地震計を設置しなければならない。これが海洋の中心などになると困難を極める。そこでカリフォルニア大学バークレー校では海底に設置された光ファイバーケーブルを地震計に利用しようという研究が進められている。光ケーブルを利用して全地球的なテクトニクス観測ネットワークを構築しようという試みだ。

現在、地震計のほとんどは地上に設置されているため、地球に関するわれわれの知識は地球全体の3分の1しかない陸地に大きく偏っている。断層などの情報も海底については不十分だ。米国カリフォルニア大学バークレー校の研究のリーダーであるNathaniel Lindsey(ナサニエル・リンジー)氏は.「大洋底における精密な地震データがどうしても必要だ。 海岸からの距離がたとえば50kmでもいいから海底に設置された地震計が欲しい。それでも非常に役立つ」とリリースに書いている。

長期間精密にモニターできる地震計が海底にほとんどないのは、設置が難しいのはもちろん、データの取得、メンテナンスなどがすべて困難であり、莫大なコストがかかるからだ。しかしすでに海底に設置されているインフラが地震計に利用できるとしたらどうだろう?それがリンジー氏のグループが海底の光ファイバーで地震を観測するというプロジェクトを立ち上げた動機だという。

これらのケーブルはインターネットのバックボーン回線であることもあれば、企業のプライベートネットワークの一部の場合もある。しかし共通しているのは通信に光を使っていることだ。もしケーブルがねじれたり向きを変えたりすると光の進行に微小な散乱などの影響が出る。ケーブルが曲げられるるときに科学者が「後方散乱」(Backscatte)と呼ぶ現象が起きる。これを精密に解析すれば光ケーブルによって地震活動が起きた地点をこれまでには考えられなかった精度で決定できる可能性がある。

このプロジェクトではDAS(分散音響センシング、Distributed Acoustic Sensing)というテクノロジーが用いられている。これにより光ケーブルを何千もの区間に分割し、それぞれをモーションセンサーとして役立てようというものだ。チームがテストに用いているのはMBARI(モントレー湾水族館研究所)が設置した全長20kmの光ケーブルで、これを1万の区間に分けて微小な位置変化を検出しようとしている。

バークレー国立研究所のJonathan Ajo-Franklin(ジョナサン・アジョ・フランクリン)氏によれば、「これは地震研究の最前線だ。海底光ケーブルによって海洋底から信号を取り出して地層欠陥を観測しようという初めての試みだ」という。

チームはMBARIのケーブルに接続したDASシステムのデータを解析し、マグニチュード 3.4の地震を特定することに成功している。これによりモントレー湾において現在知られていない断層をマッピングし、また地震が影響している可能性がある海流のパターンについても新たな知見を得た。

ARS(Monterey Accelerated Research System)の海底データ取得ノード。カニにケーブルを切られないのだろうか?

リンジー氏は「データを取得するために海底に潜って機器をケーブルの途中にいくつも取り付ける必要がない。単にケーブルの端にアクセスできればいい」のが素晴らしい点だという。

もちろん一般の商用光ケーブルの場合、研究者が自由に機器を取付られるようなエンドポイントがそうそうあるわけではない。また後方散乱はきわめて微弱なため他のノイズに隠されてしまう。これを正確にフィルターするためのテクノロジーがテストされているところだ。もし大型の海底光ケーブルが地震観測に利用できることになれば大洋底の地震やテクトニクス運動がこれまでにない精度でモニタできる。本日11月28日、研究チームはこれまでの成果をScienceに掲載した。

画像:Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

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MITの科学者が1年で10万回の反復実験が可能なロボットを開発

科学はエキサイティングなはずだが、実際にはおそろしく退屈なこともある。何千回も同じことを繰り返す実験もあるが、そんなものは自動化してほしいところだ。そこでMITの科学者が作ったロボットは、ある種の実験の結果を観察し、フォローアップを計画する。このロボットは、最初の1年で10万回の実験を行った。

流体力学という分野は、大量の複雑で予測不可能な力を扱い、それらを理解する最良の方法が同じことを何度も繰り返して一定のパターンを見つけることだったりする。これはあまりにも単純化した言い方だが、ここでは流体力学の詳しい説明はやめておこう。

繰り返して観察することを要する現象のひとつが、渦励振動(Vortex-Induced Vibration)だ。この一種の撹乱現象は、たとえば水上をより滑らかに効率的に航行する船を設計するときなどに重要になる。そのためには、船が水の上を進む様子を何度も何度も観察しなければならない(自動車のボディーの空気抵抗を減らすためにも、同種の実験を行う)。

でもこれは、ロボットにぴったりの仕事だ。しかもMITの科学者がIntelligent Tow Tank(インテリジェントな曳航水槽、ITT)と名付けた実験用ロボットは、水上で何かを引っ張るという物理的な仕事をするだけでなく、結果を知的に観察し、ほかの情報も得るためにセットアップを変え、価値ある報告が得られるまでそれを繰り返す。

今日Science Robotics誌に掲載された彼らの研究論文には「ITTはすでに約10万回の実験を済ませており、本質的には博士課程の学生が在学中に2週間ごと実施する実験を完了しています」と書かれている。

ロボット本体の設計よりも難しかったのは、流体系の表面の水流を観察して理解し、より有益な結果を得るためにフォローアップを実行する部分のロジックだ。通常は人間(院生など)が毎回の実行を観察してランダムに変わるパラメータを計り、次にどうするかを決める。でもその退屈でかったるい仕事は、優秀な科学者に向いているとは言えない。

だからそんな機械的な繰り返し作業はロボットにやらせて、人間は高レベルの概念や理念にフォーカスすべきだ。彼らの研究論文は、同じように実験を自動化するCMU(カーネギーメロン大学)などのロボットを紹介している。

彼らの研究論文では「これによって、実験を伴う研究にパラダイムシフトがもたらされ、ロボットとコンピューターと人間がコラボレーションして発見を加速し、これまでのやり方では無理だったような大きなパラメータ空間でも迅速かつ効果的に探索できるようになるだろう」と書かれている。インテリジェントな曳航水槽を記述している研究論文はここで読める。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

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NASAのスペースパレット構想は、月面にローバーを安価かつ簡単に着陸させる

月面に永続的な構造物を建造するということは、何度も月面着陸を繰り返すことが必要だということを意味している。そこでNASAの研究者たちは、そうした着陸を、できる限り信頼性高く安価に実現したいと考えている。この「パレット式着陸船」ロボットのコンセプトは、月着陸船と同時に月面に最大300kgまでのローバーや貨物を着陸させるための極めて単純な方法だ。

米国時間11月25日に発表された技術論文で詳述されているように、この着陸船はスペースパレット(荷台)の一種だ。将来のミッションで基本ユニットとして使用できる強力で基本的なフレームワークである。これはまだコンセプト段階であり、実際の名前が付いていないため、とりあえずこの記事の中では「スペースパレット」と呼ぶことにする。

関連記事:NASAが月の南極の地表下で結氷水を探すVIPER探査車を2022年に打ち上げ

これは、「コストとスケジュールを最小限に抑え」つつ、ローバーをただ安全に月面に運ぶことだけを目的としたVIPERミッションの関連研究で生み出された、デザイン的進化である。普段なら(少なくとも理屈の上では)コストをパフォーマンスに優先させることは滅多にないのだが、論文の序文にはこう書かれている。

この着陸船のデザインは、従来のようなリスク、質量、および性能のトレードパラメータが、コストよりも低く評価される最小レベルの要件セットに基づいている。言い換えれば、チームは「より良い」または「最高に良い」にこだわって「とりあえず十分」を諦めることはしなかったのだ。

もちろん月着陸船の話をしているときには、「とりあえず十分」という表現を使っても、ぞんざいな仕事を意味しているということはあり得ない。それは単に5%強い引っ張り強度を持つが50倍高価な素材を調達することが、価値あるトレードオフとは判断されなかったといった程度の意味なのだ。まったく同じ理由で私達は通常の貨物パレットに黒檀やニレを使用したりはしない。代わりに、地上でテストされた、いわば堅い松の板に相当する宇宙飛行素材を使っている(チームは内容に少し推定が混ざっていることを認めているが、これは何よりもまず現実的なアプローチであることを強調している)。

このスペースパレットは、Falcon 9ロケットの上に載るDragonなどの商用打上ロケットを使って、宇宙に送り出される。打上ロケットはパレットとその積載物のローバーを、月に向かう軌道へと投入する。数日後、スペースパレットは必要な着陸操作を遂行する。姿勢制御、着陸場所選定、減速、そしてローバーのソーラーパネルを太陽に向けた形でソフトタッチダウンを行うのだ。

着陸したあとは、ローバーは(パレットから降りて)数時間のうちに目的に向かってまっしぐらに進んでいく。着陸船そのものはいくつかの月面写真を撮影し、地球上にいるチームのために周囲の情報を送り出したあと、8時間程後には永久にシャットダウンする。

「そのとおり、残念ながらスペースパレットは月の夜を生き延びる能力は持たされていない」と研究者は指摘する。月面に存在するものはどれも強力な資源となるが、月の数週間におよぶ寒くて空気のない夜を着陸機が乗り切れるような、電力と熱のインフラを提供するには費用がかかる。

それでも、この船には、後から他の人に役立つ可能性のある、控えめで自律動作できる科学実験装置やハードウェアを装備しておくことはできる。おそらくナビゲーション用のパッシブビーコンや、近隣の隕石衝突を検知するための間欠的地震センサーなどだ。

搭載される可能性のある科学機器や、このスペースパレットがコンセプト段階よりも先に進めない場合の代替策について、私はもう少し質問してみた。しかし、仮に先に進めなかったとしても、チームは論文の中で「これらの技術や他の派生技術は、他の着陸船の設計やミッションに拡張可能であることに注意しておくことが重要だ」と書いている。

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(翻訳:sako)

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中国のトップスパイが豪に亡命、台湾大統領選や香港などに介入と中国は証言

中国情報機関の幹部職員とされる人物がオーストラリアに政治的庇護を求めている。この人物は事実であれば政治的に極めて重大な意味を持つ情報を携えており、これには中国、台湾その他の地域における秘密活動に関するものが含まれているという。この人物は中国が香港の自由化運動に対してサイバーテロ活動を行っていると主張している。

オーストラリアのメディアであるAgeによれば、 Wang “William” Liqiangこと王力強(ウィリアム・ワン)氏は 2020年の台湾大統領選挙に介入するため偽装の下で秘密活動を命じられた。王氏はこうした任務に反発して亡命を決め、中国政府の活動を国外から批判することにしたという。Ageによれば、王氏はSydney Morning Herald、60 Minutesその他のメディアに登場し、さらに広範囲な情報提供を行うという。

王氏は 香港に登録された中國創新投資有限公司(China Innovation Investment Limited)が香港の大学、政治組織、メディアに浸透するためのフロント企業として中国政府が設立したものだとして、その工作の内幕を詳細に説明したと伝えられる。

中国政府に批判的な書籍を販売していた呂波(Lee Bo)氏らが相次いで失踪した銅鑼灣書店事件は広い範囲から抗議を引き起こしていたが、王氏はこの誘拐に関しても個人的に関わっていたという。

王氏はまた中国政府を助けるサイバー集団が香港の自由活動家の個人情報を探り出し、ネットに晒すなどのテロ活動を助けたという。この中には2020の台湾大統領選に対する介入も含まれていた。

オーストラリアその他の地域での中国情報機関の活動も示唆されているものの、王氏に関する当初の記事では具体的に明らかにされていない。王氏は現在シドニーの秘密の場所におり、オーストラリア政府が正式に保護を与えるのを待っているという。

王氏にインタビューしたメディアによれば、今後さらに詳細な情報が明かされるという。

画像:Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

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マイクロソフトがニュージーランド政府と協力し機械翻訳にマオリ語を加える

機械翻訳が便利なことは誰でもわかるし、誰でも体験できる。しかし、この実用アプリケーションは、テクノロジーがもたらす価値のほんの一部にすぎない。Microsoft(マイクロソフト)とニュージーランド政府は、マオリ語を保存し、できればそれに新しい命を吹き込むために、機械翻訳が役に立つことを示そうとしている。

Te reo Māori(テ・レオ・マーオリ、マオリ語)は、ニュージーランド最大の原住民コミュニティの言語だ。しかしどこでもそうだが、マオリも何世代にもわたって植民者の優勢な文化に同化していくにつれて、言葉も次第に忘れ去られようとしている。

マオリ族は人口の約15%を占めるが、マオリ語を話すのはその4分の1にすぎない。ニュージーランドの全人口の3%だ。国はマオリ語の教育を幅広く推進してこの傾向を逆転し、その適切な保存のための策を講じようとしている。

マイクロソフトとニュージーランドのマオリ語委員会であるTe Taura Whiri i te Reo Māoriが数年間協力して、同社のソフトウェアにこの消え行く言語が含まれるよう努めている。このパートナーシップの最新のイベントが、マイクロソフトの翻訳サービスへのマオリ語の導入だ。このサービスがサポートしているそのほかの60の言語とマオリ語との間で、互いに自動的な翻訳ができる。

自動翻訳は、コンテンツや仕事の理解を助け、また埋もれていたドキュメントを探究できるようにするから、インクルージョンと教育のための強力な力になる。

精確な翻訳モデルの作成は、どの言語でも難しい。そしてその鍵は、互いに比較できるコーパスをたくさん用意することだ。そこで開発の重要な、そして委員会が助けになる部分は、コーパスを集めて質のチェックを行い、正しい翻訳ができるようにすることだ。しかし、その言葉がわかる人が少ないと、フランス語とドイツ語の翻訳サービスを作ることなどに比べて作業はより困難になる。

この事業におけるマオリ語話者の一人、ワイカト大学(University of Waikato)のTe Taka Keegan(キーガン)氏は、マイクロソフトのブログ記事で以下のようにコメントしている。

このマオリ語ツールの開発は、長年共通の目標に向けて尽力した多くの人々なくしては不可能だったでしょう。私たちの仕事によって、ニュージーランドの未来の世代のためにマオリ語の再活性化と正規化がもたらされるだけでなく、マオリ語が世界中で共有され学ばれ、価値を認められるようになることを望みます。私たちが用いるテクノロジーが私たちの文化の伝統を反映強化し、そして言葉がその心になることが、極めて重要です。

今は世界の各地で、死にゆく言語が増えている。それをすべて防ぐことはできないにしても、テクノロジーがそれらの記録と使用を助けて、どんどん数が減っている現用言語と共存させていくことは可能だ。マオリ語翻訳事業は、マイクロソフトのAI for Cultural Heritage(文化の継承のためのAI)事業の一環だ。

画像クレジット: Microsoft

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

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セキュリティ侵犯でTモバイルの顧客情報が100万件以上流出

T-Mobile(Tモバイル)が、データ侵犯により100万人あまりの顧客に影響が及び、財務情報やパスワードを除く個人情報が悪意のある者に露出したことを認めた。同社は影響を受けた顧客に警告したが、そのハッキングの詳細な公式説明はない。

同社は被害者ユーザーへの公開情報で、同社のセキュリティチームが、プリペイドデータの顧客への「悪意ある不正なアクセス」を遮断した、と述べている。露出したと思われるデータは、以下のものだ:

  • 氏名
  • 請求アドレス
  • 電話番号
  • アカウント番号
  • 料金区分、プラン、起呼機能(国際通話ありなど)

最後のデータは「顧客に権限のあるネットワーク情報」と見なされ、通信企業に対する規制では、リークしたときには顧客に通知することが必要だ。つまり、その規制がなければ通知はしないということか。しかしそれでも、史上最大のハッキングが開示されなかったことが過去に何度もある。

しかし今回は、かなり素早くTモバイルはハッキングを開示したようだ。問い合わせに対しTモバイルの社員は顧客の1.5%未満が被害を受け、同社のユーザー総数は約7500万人だから、被害者数はおよそ100万人強になると言った。

同社は開示声明の中で、「弊社はみなさまの情報の安全を極めて重視している」と言っているが、それはTechCrunchがかつてこんな状況で言うなと求めた、しらじらしい決まり文句だ。

関連記事:常套句「プライバシーやセキュリティを真剣にとらえている」は耳にタコだ

そのTモバイルの社員によると犯行が発見されたのは11月の初めで「ただちに」シャットダウンしたそうだ。データがあった場所や、露出していた期間、会社が講じた対策などについても聞いたが、答はなかった。

上記のデータは、露出してもそれ自身では必ずしも有害ではないが、アカウントを盗もうとする者の足がかりになることはある。アカウントのハイジャックは最近のサイバー犯罪の、かなりよくある手口であり、料金プランや自宅住所などの情報が、犯行の役に立つこともある。あなたがTモバイルの顧客なら、パスワードを変えて、自分のアカウントの詳細をチェックしよう。

関連記事:サイバーセキュリティ強化のためにチェックすべきトップ5

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

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米連邦通信委員会が米通信会社に対しファーウェイやZTEの製品使用禁止を求める

FCC(米連邦通信委員会)は、「国家安全の脅威」と考えている企業の機器に流れる資金を断つ計画を最終的に承認した。対象となる企業はHuawei(ファーウェイ)とZTEだ。

通信インフラ展開のための購入代金を助成するのに使われるFCCのユニバーサルサービス基金の85億ドル(約9200億円)は、この2社の機器に一切当てられなくなる。

「我々は記録にある証拠と、行政ならびに立法府の長年の懸念に基づき、今回の措置をとる」とFCCのAjit Pai(アジート・パイ)議長は声明文で述べた。「2社とも中国の共産主義政権、そして軍事品と深く結びついている。そして両社とも、中国の情報部からの要求に協力し、そうした要求を秘密にする義務があるという中国の法律を守らなければならない。2社はこれまで知的財産の侵害、贈賄、汚職を行なってきた」。

この2社は数年間にわたって米国の綿密な調査の対象となってきたが、疑わしいハードウェアの販売にかかる容疑は漠然としたものだった。しかし2019年初めの物議を醸したファーウェイのCFOである孟 晩舟氏の逮捕によってヒートアップし始めた。言うまでもないが、2社はすべての容疑を断固として否定してきた。

中国と米国の関係がいっそう複雑になるにつれ、ZTEとファーウェイが米国で事業を展開し、米国企業と取引をするのはさらに難しいものになった。FCCの新しいルールは、実際には物事がエスカレートする前に委員会のJessica Rosenworcel(ジェシカ・ローゼンワーセル)委員が提案していたものだ。

「これは難しいことではない」と今回の新ルールに伴う声明文でローゼンワーセル氏は述べている。「国の基金が国家の安全を脅かす機器の購入に使われるべきではないという結論に至るのに18カ月もかかったのはおかしい」。

しかし、政府が広く混乱している現状を考えると、細部を理解するのは難しいかもしれない。例えば、今年の夏、米企業がプロダクトをファーウェイに販売するのは違法になりそうだった。だがそうはならなかった。ちょうど昨日、何人かの上院議員は商務省がファーウェイと取引をしている企業にライセンスを発行したことに抗議した。

本日協議され、まだ承認されていない別の提案では、ユニバーサルサービス基金を受け取っている通信事業者に対し、すでに設置したファーウェイとZTEの機器を撤去することを求めている。

明らかに、小規模の通信事業者がこうしたルールに従うのは経済的にかなりの負担になる。ただ、これに対してはパイ議長が言うように策がある。それは「こうした要件による影響、特に小規模で地方の事業者への経済的負担を和らげるために、より信頼できるベンダーの機器に交換するコストの相殺を支援する払い戻しプログラムの導入を提案する」というものだ。

画像クレジット: Bryce Durbin / TechCrunch

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(翻訳:Mizoguchi)

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人助けプラットフォームGive InKindがプレシード投資で1.6億円調達

困っている友だちをネットを通じて助けるのは、意外なほど難しい。お金を渡すのは簡単だが、本当に必要なものはお金じゃなかったりもする。そこで、Give InKind(ギブ・インカインド)は、お金を渡すよりも、もっといろいろなことができるプラットフォームを目指している。とても自然な発想のため、同社はシアトルの投資家たちから目標の3倍にあたる150万ドル(約1億6000万円)を調達できた。

同社は、Female Founders Alliance(女性創業者連盟)が主催するReady, Set, Raise(レディー・セット・レイズ)アクセラレーターに参加が認められ、そのデモデーに、私は創設者Laura Malcolm(ローラ・マルコム)氏に会えた。

関連記事:「Ready, Set, Raise」は女性起業家のためのY Combinator

マルコム氏が解決を目指しているのは、本当に困っているときは資金調達サイトを立ち上げる気力もなく、しかもその苦境を乗り越えるのに必要なものはお金ではない、という単純な問題だ。マルコム氏自身も、そんな体験をしている。個人的な悲劇に見舞われたとき、周囲の人から助けてもらうための手段が整っていないことを痛感したのだ。

「全国の友だちや家族が私を助けてくれようとしましたが、そこで使えるツールは時代遅れで、私たちの問題を解決できませんでした」と彼女は説明してくれた。「必要な助けをすべてひとつにまとめてくれる場所がないのです。食べ物の差し入れ、子どもの学校の送迎、Instacart(買い物と配達のサービス)の無料券、Lyftのクレジットなどです。ひとつとして同じ状況はありえません。すべてを一箇所にまとめておいて、誰かが『お手伝いできませんか?』と申し出てくれたときに役立つような場所を作ろうとした人もいませんでした」。

Give InKindの目的は、人助けのための豊富な選択肢を提供することにある。もちろん、現金を寄付することもできるが、その欲しいものリストにあるアイテムを購入したり、配達を手配したり、紙おむつやギフトボックスなどの援助物資の定期配達を設定したり、専用のカレンダーに人的支援が可能な日時を書き入れたりもできる。

すべては中心的なプロフィール・ページに示される。このページは、サービスを受ける本人が自分で作ることは滅多にないと、マルコム氏は話していた。

「ページの9割が、他の人が作ったものです。すべての人が苦境に陥っているということではなく、誰かが困っていることを知って、何か力になれることはないかと気にしている人が大半です」と彼女は言う。「なのでこれは、困っている人を集めるものではなく、人助けの方法を知りたい人たちの問題を解決するためのものなのです」。

まさにその部分に私は共感した。本当に苦しんでいる人にお金を寄付するのは、なんとも事務的で心がこもっていないと感じていたからだ。個人的に力を貸せるのが理想だが、他の街に住んでいて体の自由が利かなくなった友人が、犬の散歩を手伝ってくれる人を探していたとしたらどうだろう。ギブ・インカイドは、まさにそうした悩みを表に出して、リンク(たとえば犬の世話を代行してくれるサービスRoverなど)や関連する情報を提供する。

「サイトで行われているのは、食事や手伝いの手配など、自分で自分のことをする活動が大半です。日時の調整用にカレンダー・ビューがありますが、サイトでもっとも多く利用されている場所でもあります。およそ70%がカレンダーで、残りは(インスタカートやウーバーなどの)全国的なサービスに関するものです」とマルコム氏。

地域限定のサービス(全国展開していない掃除サービスなど)も計画には含まれているが、ご想像のとおり、それらをひとつにまとめるには相当なフットワークが必要になるため、実現には時間がかかる。

現在このサイトは、完全な会員制になっている。援助をしたい人は、カレンダーに自分のスケジュールを記入したり、プロフィールの編集を手伝うといった作業をしたいときは、アカウントを作らなければならない。すると、商品サイトに移動して取り引きを行うことができる。同社では、支援物資などのサイト上での購入を実験しているが、本当に価値のあるもの以外は、中心的な取り引きになることはない。

拡張の計画は、このサイトの今ある有機的な成長パターンを確実にするためのものだ。作られたページは、どれも新しいユーザーや訪問者を惹きつけている。そのユーザーたちは、数年後が経過した後でも、新しいページを作り始める可能性がとても高い。そこに改良を加えながらマーケティングにも動き回るマルコム氏は、急速に成長できると確信し、GoFundMe(ゴーファンドミー)などの大手の寄付サービスとの大きな規模での提携できる日も近いと考えている。

位置について、よーい、そして期待以上の資金調達

私がGive InKindに注意を引かれたのは、シアトルの女性創業者連盟を通じてのことだった。少し前に、連盟はデモナイトを開催し、いくつもの企業と、当然のことながらその創設者にスポットを当てて紹介していた。いくつかの企業は、女性の体に合わせた作業着が入手困難であることなど、女性を強く意識した問題に特化していたが、デモナイトの目的は、本当に価値の高い企業を掘り出すことであり、その創業者がたまたま女性というだけの話だ。

「Ready, Set, Raiseは、高い可能性を持つ不当に評価が低い投資機会を発掘し、ベンチャー投資コミュニティーが理解できる形で紹介することを目的に設立されました」と連盟の創設者Leslie Feinzaig(レスリー・フェインゼイグ)氏は言う。「私たちの最新のメンバー調査の結果は、女性創業者が調達できた資金は低めだが改善しようと頑張っている、という所見と一致しています。Give InKindは、その完璧な実例です。彼らは3年間、自己資金で頑張った末、プロダクトマーケットフィットを見つけ、月20パーセントの成長率を示しているにも関わらず、いまだに投資家の共感を得るのに苦労していました」

しかし、プレゼンテーションの後、マルコム氏の会社は表彰され、Trilogy Ventures(トリロジー・ベンチャーズ)から10万ドル(約1080万円)の投資を受け取った。それ以前から50万ドル(約5400万円)を目標に資金調達をしていたのだが、たちまち総額に制限をかけなければならない事態になった。予想外の、しかしとても嬉しい150万ドル(約1億6000万円)が集まったのだ。このラウンドの最終参加者には、Madrona Venture Group(マドローナ・ベンチャー・グループ)、SeaChange Fund(シーチェンジ・ファンド)、Keeler Investments(キーラー・インベストメンツ)、FAM Fund(ファム・ファンド)、Grubstakes(グラブステークス)、X Factor Ventures(エックス・ファクター・ベンチャーズ)が名を連ねている。

これは、正当性が認められたことなのだと私は推測した。「最高の正当化です」と彼女も同意した。「創設者の旅は長く厳しいものです。しかも、女性創業者やインパクトのある企業にはどうしても分が悪い。シアトルでは、消費者の力も強くないのです。私たちは、このラウンドを早々に決められたことで、分の悪さを全面的にひっくり返しました。シアトルがいいところを見せてくれました」。

彼女はこのアクセラレーターを「驚くほどユニーク」だと説明している。「女性創業者を、投資家、メンター、専門家と結びつけることに専念しています」。「私たちは、私のモデルを上下逆さまにして何もかもを振り落とすことに、とても長い時間を費やしました。結果としてそれは、思っていたよりもずっと正当化できることでした。私たちは事業も変えず、製品も変えず、立ち位置とほんの少し変えただけです」と彼女は話す。「指導者やメンターとのつながりを持つことと、魅力的な方法で事業を紹介する方法を組み合わせると、こうした機会を持たない人たちにとって、それがいかに遠い存在であるかを思い知らされます。私はGive InKindを3年間、紙袋に入れて持ち歩いていました。そこに彼らが鈴を付けてくれたのです」。

フェインゼイグ氏は、その申請方法と指導の質(1対1の講座が多い)のために、このアクセラレーターから巣立つ企業の質が高いと説明している。第2期のその他の企業はここでわかる。そしてもちろん、助けを必要とするあなた自身、あるいはあなたの知り合いのために、Give InKindも頑張っている

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(翻訳:金井哲夫)

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インテルとArgonne National Labの新型スーパーコンピューターAuroraがエクサの大台に

何百もの演算ユニットが、世界で初めて「エクサ」が頭に付く桁の計算(1秒間に1000兆回)に必要な性能を獲得し、スーパーコンピューターの規模は、ほぼ理解不能なレベルにまで成長した。どうやってそれを実現できたのか?「入念な計画、そして大量の配線だ」とこのプロジェクトに深く関わる2人は言う。

Intel(インテル)とArgonne National Labは(アルゴン・ナショナル・ラボ)は、Aurora(オーロラ)という名のエクサスケールの新しいコンピューター(米国ではいくつか開発中だが)の公開を予定しているとのニュースを今年の初めに知った私は、先日、インテルのエクストリーム・コンピューティング・オーガニゼーションの代表であるTrish Damkroger(トリッシュ・ダムクロガー)氏と、Argonneでコンピューティング、環境、生命科学を担当する研究所副所長のRick Stevens(リック・スティーブンス)氏から話を聞いた。

2人は、デンバーで開かれたスーパーコンピューティングカンファレンスにおいて、おそらくこの種の研究に関して深い知識を持っていると自認する人たちの前で、同システムの技術的な詳細について話し合った。インテルの新しいXeアーキテクチャーや汎用コンピューティング・チップのPonte Vecchio(ポンテ・ベキオ)も含むシステムの詳細については、業界誌や広報資料で読むことができる。そこで私は、この2人からもう少し大きな構想を聞き出そうと考えた。

関連記事:浮動小数点演算1回は100京ぶんの1秒、インテルとCrayが超高速次世代スパコンを共同開発中

こうしたプロジェクトが長期的なものだと聞いても、驚く人はいないだろう。しかし、どれだけ長いか想像がつくだろうか。10年間だ。そこでの難題のひとつには、開発当初に存在した技術を遥かに超えたコンピューティングハードウェアを確立しなければならないという点がある。

「エクサスケールが最初に始まったのが2007年です。当時はまだペタスケールの目標すら達成できていませんでした。つまり私たちの計画のマグニチュードは、3から4ほどかけ離れていたのです」とスティーブンス氏。「その当時、もしエクサスケールを実現したならば、ギガワット級の電力を必要としたでしょう。まったく非現実的です。そのため、エクサスケールの研究では、電力消費量の削減も大きな課題になりました」。

Xeアーキテクチャーを核とするインテルのスーパーコンピューティングは、7nmプロセスが基本になっているため、ニュートン物理学のまさに限界を押し広げようとするものだ。さらに小さくすれば、量子効果の影響を受けるようになる。しかし、ゲートを小さくすれば、必要な電力も小さくて済むようになる。顕微鏡レベルの節電だが、10億、1兆と重なれば、たちまち大きくなる。

だが、それは新たな問題を引き起こす。プロセッサーの能力を1000倍にまで高めると、メモリーのボトルネックにぶち当たってしまうのだ。システムが高速に思考できても、同じ速さでデータのアクセスや保存ができなければ意味がない。

「エクサスケールのコンピューティングを実現しても、エクサバイト級のバンド幅がなければ、非常に不釣り合いなシステムになってしまいます」。

しかも、これら2つの障害をクリアできても、3つ目に突き当たる。並行性と呼ばれる問題だ。高性能なコンピューティングにとって、膨大な数のコンピューティングユニットの同期も同程度に重要になる。すべてが一体として動作しなければならない。そのためには、すべての部分が互いにコミュニケートできなければならない。スケールが大きくなるほど、その課題は難しくなる。

「こうしたシステムには、数千数万のノードがあり、各ノードには数百のコアがあり、各コアには数千のコンピューティングユニットがあります。つまり、並行性には数十億通りあるということです」とスティーブンス氏は説明してくれた。「それに対処することが、アーキテクチャーの肝なのです」。

彼らはそれをどう実現したのか。私は、目まぐるしく変化する高性能コンピューティングアーキテクチャーデザインについて、まったくの素人のため解説を試みようなどとは思わない。だが、このエクサスケールのシステムがネットで話題になっているところを見ると、どうやら彼らは実現したようだ。その解決策を、無謀を承知で解説するなら、基本的にネットワークサイドの大きな進歩とだけ言える。すべてのノードとユニットを結ぶ継続的なバンド幅のレベルは尋常ではない。

エクサスケールでアクセス可能にするために

2007年当時でも、プロセッサーの電力消費量が今ほど小さくなり、メモリーのバンド幅の改善もいずれは実現できると予測できたが、その他の傾向については、ほぼ予測不能だった。たとえば、AIと機械学習の爆発的な需要だ。あの当時、それは考えも及ばなかったが、今では部分的にでも機械学習問題に最適化されていない高性能コンピューティングシステムを作ることは愚行と思われてしまう。

「2023年までには、AIワークロードは高性能コンピューティング(HPC)サーバー市場全体の3分の1を占めるようになると私たちは考えています」とダムクロガー氏。「このAIとHPCの収斂により、その2つのワークロードが結合され、問題をより高速に解決し、より深い見識を与えてくれるようになります」

その結果、Auroraシステムのアーキテクチャーには柔軟性が持たせられ、機械学習の一部のタスクではとても重要となる行列計算のような、特定の一般的演算の高速化にも対応できるようになっている。

「しかしこれは、性能面だけの話ではないのです。プログラムのしやすさも重視しなければなりません」と彼女は続ける。「エクサスケールのマシンにおいて、最も大きな挑戦のひとつに、そのマシンを使うためのソフトウェアが簡単に書けるようにすることがあります。oneAPIは、Open Parallel C++のオープン標準をベースにしているため、統一的なプログラミングモデルになるでしょう。これが、コミュニティーでの利用を促進するための鍵になります」。

これを執筆中の時点で、世界で最もパワフルな単体のコンピューティングマシンであるSummitは、多くのシステム開発者が用いているものとは使い方がずいぶん異なっている。新しいスーパーコンピューターを広く受け入れてもらいたいと開発者が望むならば、その使い方をできる限り普通のコンピューターに近づけるべきだ。

「x86ベースのパッケージをSummitに持ち込むのは、ある意味大変なチャレンジになります」とスティーブンス氏は言う。「私たちの大きな強みは、x86ノードとインテルのGPUがシステムに使われていることです。そこでは、基本的に既存のすべてのソフトウェアを走らせることができます。標準的なソフトウェア、Linuxのソフトウェア、文字どおり数百万種類のアプリが使えます」。

私は、そこで使われた経費について尋ねてみた。こうしたシステムでは、5億ドルの予算がどのように使われたのか、その内訳については謎とされることが多いからだ。たとえばメモリーかプロセシングコアか、実際にどちらに多くの予算が費やされたのか、またはどれだけの長さの配線が使われているのかなど、私は純粋に興味があった。だが、スティーブンス氏もダムクロガー氏も話してはくれなかった。ただスティーブンス氏は「このマシンのバックリンクバンド幅は、インターネット全体の総計の何倍にも及び、大変なコストがかかっています」と教えてくれた。あとは想像にお任せする。

Auroraは、その従姉妹であるローレンス・リバーモア国立研究所のEl Capitanとは違い、兵器開発には使用されない。

関連記事:6億ドルのCrayスパコンは核兵器開発で他を圧倒する(未訳)

「Argonneは科学実験室です。そしてオープンです。科学を機密扱いにはしません」とスティーブンス氏。「私たちのマシンは、この国のユーザーの資産です。米国全土にこれを使う人たちがいます。相互評価が行われ料金が支払われたプロジェクトには、たっぷりの時間が割り当てることで、最高に面白いプロジェクトを呼び込みます。そうした利用法が全体の3分の2。残りの3分の1はエネルギー省が使いますが、その場合も機密扱いはなしです」。

最初の仕事は、気候科学、化学、データ科学になる予定だ。それらの大規模なプロジェクトをAuroraで実現する15チームが契約した。詳細は追って知らされる。

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(翻訳:金井哲夫)

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Google AIのチームが開発した卵型LEDルームが人間の3Dモデルを見事に捉える

人の動きを高品質な3Dで捉えることは難題であり、特に難しいのがライティングだ。ここで紹介するGoogleの研究者によるプロジェクトは、プリズム状に配置したLED製の卵の中に運動主体を置き、見事な結果を得ている。このやり方の特に重要なのは、あとからライティングを変えられることだ。

従来の立体捕捉(Volumetric Capture)と呼ばれる方法は、運動主体の360度の周囲に複数のカメラを置き、写真のようにリアルな絵画風の表現を捉える。服のしわも髪の髪の毛1本も完璧に捉える。しかし深刻な欠点が2つある。ひとつは、モデルのデータというよりは3Dムービーみたいで、人の姿勢や特徴、衣服などを自由に変えられない。もうひとつはそのために、ライティングもいろいろ変えられない。捕捉したときのライティングがすべてだ。

この問題を克服するために今回Google AIのチームが試みたThe Relightables(ライトを変えられる)という方法は、上記の第2の問題に挑戦する(第1の問題は多くのものがすでに決まりすぎている)。彼らのシステムは動いている人の詳細な3Dモデルを作るだけでなく、仮想の光源により一見リアルな光を当てるので、ゲームやムービーなどライティングが変わる状況に人を置くことができるのだ。

Google AIの研究論文に掲載されている画像。左から、捕捉の過程とその結果の3Dモデル、照明のある仮想環境に置かれた状態

それを可能にしたのがプリズム状の卵だ(もちろんそのためのコードも)。その卵は331個のLEDライトで描かれ、それらは色を変えられるだけでなく、人を捕捉している間にある特別な構造パターンで変わることにより、ライティングを特定しないモデルが作られる。

そうやって得られるモデルは、どんな仮想環境に置いても、捕捉したときのライティングではなくその小さな世界のライティングを反映する。動画を見ればハリウッド映画ほどすごくはないものの、このプロジェクトの成果はわかるだろう。

立体捕捉はその制約のために映画では使いづらかった。しかし、さまざまなライティングに変えられれば、動きが通常の3Dモデルにとても近くなる。もちろん演技そのものは、すべて巨大な卵の中で演じなければならない。

The RelightablesはSIGGRAPH Asiaでチームがプレゼンする。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

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Twitterが正式に政治広告を禁止

2週間前にTwitterが発表した政治広告禁止措置が発効した。ルールは驚くほどシンプルだ。シンプルすぎるかもしれない。定義に該当する政治的コンテンツは今後広告宣伝できない。候補者、政党、政府、政府職員、PACs(政治行動委員会。米国の選挙における政治資金管理団体)、非営利の政治団体は、コンテンツの広告宣伝が一切禁止される。

Twitterの方針の背後にある考え方は「政治的なメッセージを届けたいなら金に頼るのではなくその内容で訴える必要がある」。これは反論が難しい(Facebookは反論するだろう)。 新ルールは世界中すべての広告に適用される。

Twitterは政治的コンテンツをすべて禁止するのではなく、有料広告に限って禁止する点をまず明確にしておきたい。あらゆるトピックは同等に扱われ、Twitterのユーザーは個人・組織を問わず以前と同じく自身の目的を追求できる。

簡潔なルール説明の中で、Twitterは「政治的コンテンツ」とは何かを明らかにした。

政治的コンテンツは、候補者、政党、選出・任命された政府職員、選挙、住民投票、投票方法、立法、規制、指令、判決に関するコンテンツと定義される。

禁止されるのは、

政治的コンテンツに関する広告並びに投票の呼びかけ、金銭的支援の勧誘、以上の政治的コンテンツへ賛成・反対を表明すること。

極めて簡明にみえる。政治的広告の禁止を始める時には賛否両論あるものだが、不明確・複雑な定義は事態をさらに難しくする。

包括的な禁止の範囲に政治団体も含めたことも明瞭さにひと役買っている。PACsや資金力のある「いとこ」のSuperPACs(特別政治行動委員会。特定候補を直接的に支援しない政治資金管理団体)は、広告を一切禁止される。これは納得がいく。政治資金管理団体が政治に影響を及ぼすこと以外の目的で広告宣伝することがあるだろうか。501(c)(4)非営利組織(米国で連邦所得税が免除される社会福祉向上のための非営利団体で、政治活動も可能)はPACsほど悪名高くはないが、政治関連で巨額の支払いをした団体は広告宣伝禁止となる。

もちろん例外免除規定があり、政治問題の報道を促進したい報道機関と、非政治的とみなされる「社会的意義に基づく」コンテンツは除かれる。

報道機関の免除は極めて自然だ。多くの報道機関は政治的な見方やイデオロギー的な傾向を持っているが、候補者や政党に直接何百万ドルも寄付するような行動からは程遠い。ただ、どのサイトでも免除されるわけではない。月間20万のユニークビジターを擁し、自身でコンテンツを作成しており、原則として単一のテーマに限ったサイトではないことが条件だ。

「社会的意義に基づく」免除は、最も白熱する論点だろう。Twitterのポリシーにあるように「市民参加、経済成長、環境管理、社会的公平性といった社会的問題に関して人々に教育、啓発、および/または行動を促す広告」は許される。

「社会的意義に基づく」免除にはいくつかの制限がある。まず地域をターゲットにする広告は州や地域レベルまでが許され、郵便番号レベルでのターゲティングは認められない。また、政治的関心に基づくターゲティングも認められない。例えば「社会主義者」だけに社会的意義に基づく広告を送信することはできない。さらに、上記の禁止対象の個人や団体を参照したり、代わりに広告を出すこともできない。

Twitterが噛みつかれる可能性があるのは、定義における「遊び」だ。「市民参加」と「社会的公平性の社会的意義」とは正確には何を意味するのか。そうした概念はあえて漠然と定義して、包括的な規定にしようとしたのかもしれない。ただ解釈の余地があると、つけ込む輩が現れると思ったほうがいい。

明らかにこれは、有権者登録運動、災害救援活動などの広告宣伝は許可することが意図だ。ただ十分想定されるのは、反移民集会を「重要なトピックに関する公開討論」として広告宣伝するような例だ。

筆者は、社会的意義に基づくコンテンツルールに関する追加のガイダンスが近日公開されるかTwitterに質問した。応対した担当者は、筆者が引用したまさにその文言を参考にするよう述べただけだった。

とはいえ、Twitterのポリシー責任者であるVijaya Gadde(ビジャヤ・ガッデ)氏は、同社が個々の問題に関する意思決定を透明にし、今後のルール変更について明確にすると述べた。

「これは新しい領域だ」と同氏はツイートした。「我々が実践するすべてのポリシーと同様に、このポリシーも進化し、ユーザーのフィードバックに耳を傾ける」。間違いなく膨大なフィードバックを受け取るだろう。

画像クレジット:TechCrunch

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(翻訳:Mizoguchi)

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米陸軍が写真測量技術を使って3D航空写真を数分で作成

航空写真は軍事関連では一般的な資産だが、3Dマップは特別な機器がないとすぐに用意することは難しいだろう。しかし、米陸軍工兵隊が提供するこの新しい写真測量技術(Photogrammetry)を使えば、わずか数分で通常の航空写真から正確な3Dマップを作成することができる。

写真測量とは、同じ場所またはアイテムの複数の写真を比較して、その3Dマップを作成するプロセスだ。これはよく知られている方法ではあるが、例えば、最良の結果を生成するにはビデオのどのフレームを使用すべきかといったものには、まだ人間の知性が必要とされる局面がある。

バージニア州にあるGeospatial Research Laboratory(陸軍地理空間研究所)のRicky Massaro(リッキー・マサロ)博士は、この問題を軽減し航空画像を人間の介入なしに、ほぼリアルタイムに正確な3D表面マップへと変換できる、非常に効率的な写真測量法を生み出した。

この画像は深さマップを色で示している。赤いほど高いことが示されている。複数の2D画像を組み合わせることで作成された。

このシステムは、第101空挺団よってテストされた。同団はドローンをケンタッキー州のフォート・キャンベル上空を飛ばし、訓練に用いられる模擬都市のマッピングを行った。また、これは非戦闘目的でイラクにも展開された。つまり、これはどこかの研究室のなかでうろうろしているものではなく、実用に供されており、特許の申請を受けて公表されることとなったのだ。そして現在陸軍はシステムの商用化に向けて調整を行っている最中だ。

「兵士向けであろうと農民向けであろうと、この技術は利用可能な地域に関する情報を、素早く提供することができます」と語るのは、国防総省の商用技術移転組織であるTechLinkのマネージャーのQuinton King(クイントン・キング)氏だ。「そして、マサロ博士の成果を、各企業が自社の製品やアプリケーションにどのように活用できるかを学ぶことをお手伝いできることを、楽しみにしています」。

リアルタイム写真測量技術はLIDARや地上測量マッピングシステムに代わるものではなく、それらと連携して機能するものだ。通常の航空写真から正確な深さを生成することが可能で、大量のデータを中央に送信したり、人間の専門家を関与させたりすることなく、さまざまな状況に適応することができる。詳細に興味がある場合には、こちらで特許出願申請書類を参照することができる

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(翻訳:sako)

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米下院と上院が迷惑電話のロボコール対策法案で合意、早急の制定目指す

政争が展開されているこの時代に、主張に違いにがあるにもかかわらず全ての人を悩ましている問題に国として結束できるというのは素晴らしい。もちろん、私が話しているのは迷惑電話のロボコールのことだ。米国の下院と上院は党派の違いを超えて、この煩わしい問題に対応する法律に共に取り組もうとしている。

ロボコール業者にかなりの罰金を科したり、新たなロボコール対策基準を導入する計画を通信会社から引き出したりといった、FCC(米通信委員会)の取り組みにもかかわらず、米国の電話の半分はいまだに自動音声や詐欺目的のものだ。

もし当局の手に負えないのであれば、最終的に必要なのは立法ということになる。そしておそらく議員たちもロボコールに悩まされていて、このため早急に立法すべきと考えるというのはあり得ることだ。

議会の常として、この問題を解決するための内容を競うような2つの法案バージョンがあり、その両方とも今年初めに議会を通過した。そしていま、この件を扱う委員会のリーダーたちは、法案の統一バージョンを通すことになる「原則的合意」を発表した。

法案「Pallone-Thune TRACED Act」には、この案の提唱者であるPallone議員(民主党、ニュージャージー州選出)とJohn Thune議員(共和党、サウスダコタ州選出)の名前、それからTelephone Robocall Abuse Criminal Enforcement and Deterrenceの頭文字が入っている。

「我々の合意では、消費者に課金することなく、電話を確かめ、しっかりとした透明性のある方法でロボコールをブロックすることを通信業者に求めている。合意ではまた、FCCや法執行機関がスキャマーを追跡することを認めている」とPallone議員は合意に伴う声明文で述べた。

法案の文言は数日内に確定し、急いで制定される見込みだ。一方、FCCは通信会社がネットワークで実行できる詐欺対策のSHAKEN/STIRを実際に履行するのを辛抱強く待ち続けている。もし実行に移さなければ最終的には相応の処置をとると繰り返し警告している。6月の案では米国外からのロボコールのブロックを認めること明らかにしたが、それに伴う費用については言及しなかった。幸いにも、上記の法案では、消費者がこのサービスに伴う費用を負担することはないとされている。

画像クレジット:Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi)

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伝説のコーダーであるジョン・カーマックはOculusを辞職、個人的AIプロジェクトを追求

伝説のコーダー、ジョン・カーマック(John Carmack)氏は、6年過ごしたFacebookのOculusを離れ、個人プロジェクトに専念する。それは汎用人工知能(AGI:Artificial General Intelligence)、いわゆる「強いAI」(Strong AI)の作成に他ならない。彼は「コンサルティングCTO」の肩書でOculusとの関係を続けるが、おそらく全ての時間を、最終的には人類を超え破滅させるAIに注ぎ込む。

AGIまたは強いAIは、人間が行う方法とほぼ同じ方法で学習を行うAIの概念であり、現在私たちがAIと呼んでいる非常に狭い機械学習アルゴリズムのようには制限されていない。AGIとは、SFに登場するAIたちである。HAL9000、レプリカント、そしてもちろんターミネーターなどがそれに相当する。善いものもいる、たとえば、データやR2D2だ。

関連記事:WTF is AI?(未訳)

これまでのところAGIは、研究者たちによるアプローチは言うまでもなく、厳密な意味で定義されていない。それは、そもそもそのようなことが可能なのかどうか、もし可能だとして、それを達成できるのかどうか、そしてそれが達成できるとして、私たちはそれを行うべきなのかという、未解決の問題なのだ。

カーマック氏はこの行動をFacebook上で発表した。彼はそこで、そのような魅力的で刺激的なトピックの不確実性こそが、まさに彼を惹きつけたものなのだと説明した。

ゲーム、航空宇宙、そしてVRで行ってきたすべてのことを振り返ると、型破りで証明されていないことでも、少なくともソリューションに対する漠然とした「見通し線」があることを常に感じていました。時には、ソリューションが全く見通せず、どのように扱えばよいかに悩む問題もありました。歳をとり過ぎる前に、試してみることにしたのです。

彼の計画は、それを自宅で「ビクトリア朝の紳士科学者」スタイルで追求しながら、子供を育てることだ。それはまるで、ほぼ動き始めた永久機関にフルタイムで専念するために、早期退職をするようなものだ。ただし、カーマック氏が実際に素晴らしいものを生み出すチャンスはあるかもしれない。

彼は、ビジョンと創造性を併せ持つまれな技術者であり、それがこれまで彼を技術の最先端に導き、ときには様々な方向へ後押しもしてきた。

しかし、Oculusでの彼の仕事とは異なり、私たちは彼が専念した仕事の結果を買うことはできない、なので私たちは何が生み出されるのかを、ただ待つことしかできないのだ。彼の幸運を祈りたい。だが彼がそれに注意深く取り組むことも願っている。

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(翻訳:sako)

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Minecraft Earthが北米その他の地域で正式開始

Microsoft(マイクロソフト)による、現実世界における拡張現実ゲームの大規模実験であるMinecraft Earthが、北米、英国、その他の地域のプレイヤーたちに公開された。このポケットサイズのARゲームでは、プレイヤーがどこにいてもブロックや生き物を集めたり、友達と一緒にちょっとした冒険をしたり、もちろん素敵なお城を建てたりすることができる。

私は今年の初めにMinecraft Earthの初期バージョンをプレイしてみたが、その時はとても楽しめるものだと思った。そしてARの側面に関して言えば、驚くほどシームレスなものだった。最初にポケモンGOで導入された多くのゲームプレイは、ここでより創造的で協力的な方法で採用されている。

ここでもプレイヤーは、Minecraftの世界のように魅力的にレンダリングされたご近所を歩き回り、自分のキャラクターの周りにポップアップする小さなアイコンをタップする。それらは建設するために使用できるブロック、収集できる動物、または単独あるいは友人たちと一緒に、報酬を求めて行う戦闘イベントなどである。

関連記事:Minecraft EarthはARで現実がブロックの世界になりニワトリも飼える

最終的には、これらはすべて、さまざまなサイズの「ビルドプレート」上で行う構築サービスの中で行われるものだ。プレイヤーはARモードの中で平面上に置いて固定したそれらの構築物の周りを、自由に歩きまわりながら編集したり遊んだりすることができる。最初にその話を聞いた時には、ゴテゴテしてバグの多いものではないかと疑ったが、実際にやってみると、それはスムースで簡単なものだった。携帯電話を近づけるだけで、簡単に「ズームイン」して構築物を編集することができるし、複数の人間が同じブロックとプレートを使って同時に遊ぶことができる。

何か楽しいものを組み立てたら、それを屋外に持って行き、実質的に「実際の」サイズで表示することができるので、作った城やダンジョンの内部を歩き回ることができる。もちろん、本物ではないので階段を登ることはできないが、他の側面は期待どおりに機能する:ドアやその他のアイテムを操作し、洞窟で鶏を飼育し、いろいろと楽しむことができる。

このゲームは、コレクションを行うことにフォーカスした「ポケモンGO」や「ハリー・ポッター:魔法同盟」よりも間違いなくオープンエンドなものだ。それが作品の魅力や永続的なパワーの観点から見た時に、利点になるのか、それとも欠点になるのかはまだわからない。だが1つのことは確かだ。人びとはMinecraftを愛しているし、少なくとも試してみようとする筈だ。

現在以下の国の人たちならそれを試すことができる。他の地域もホリデーシーズン中にはプレー可能になる筈だ

  • 米国
  • 英国
  • カナダ
  • 韓国
  • フィリピン
  • スウェーデン
  • メキシコ
  • オーストラリア
  • ニュージーランド
  • アイスランド

Minecraft Earthは以下の場所からダウンロードできる(iOS向けAndroid向け)。

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(翻訳:sako)

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アディダスはSpeedfactoryを閉鎖してロボットによるシューズ生産から後退

Adidas(アディダス)は、世界規模の流通にかかわる費用をかけた実験を中止した。米国アトランタと、ドイツのアンスバッハにあるロボットによる「Speedfactory」(スピードファクトリー)を、6カ月以内に閉鎖すると発表したのだ。ただしこの技術を、アジアにある既存の人手中心の工場で再利用することを示して、このニュースのうわべを取り繕った。

このロボ工場は、製造プロセスを分散化する戦略の一環として、2016年にアンスバッハ、2017年にアトランタに設立されたもの。それ以前のモデルは、他の多くの産業と同様、労働力と間接費が安い東アジアで製品を生産し、そこから必要に応じて出荷するというものだった。しかしそれでは、ファッションや運動競技と同じほど動きの早い業界にとっては、いかにも遅く、ギクシャクしたものになってしまう。

「現在、当社の製品のほとんどはアジア製であり、それを船や飛行機でニューヨークまで運んでいました」と、アディダスのCMOであるEric Liedtke(エリック・リートケ)氏は、昨年のDisrupt SFで、新しい製造技術についてのインタビューに答えていた。Speedfactoryは、それを変えるためのものだった。「ある種のマイクロ流通センターをジャージーに置くのではなく、ジャージーにマイクロ工場を作って、その場で製造するのです」。

関連記事:Adidasのスニーカーのサプライチェーンが3Dプリントで劇的に変わりオンデマンド化へ

最終的に、これは想定したよりも難しかったことが証明されたようだ。他の業界も含めて、性急に自動化を推し進めるなか、目標を高く置きすぎて、まだ技術が整っていない段階で、できもしないことを約束してしまうことはよくある。

ロボット化された工場は強力なツールだが、早急に構築し、整備するのは難しい。ロボットアームやコンピュータービジョンのシステムをセットアップするには、専門知識が必要となるからだ。ロボットを利用した製造技術は、この分野でも進歩を遂げている。ただ今のところ、標準的なツールを異なるパターンで使えるよう、人間の労働力を訓練するよりも、はるかに難しいのだ。

アディダスのグローバルオペレーションの責任者であるMartin Shankland(マーティン・シャンクランド)氏は、「Speedfactoryは、私たちの製造技術の革新と能力の向上に貢献してきました」と、プレスリリースで説明している。また短期的には、製品を迅速に市場に投入できたという。「それが最初の目標でした」とも言うが、情勢が変化する中、おそらく2016年とは事の運びが違ったものになったのだろう。

「アンスバッハとアトランタでのコラボレーションが終わってしまったことを、非常に残念に思います」と、シャンクランド氏は言う。アディダスに協力したアンスバッハ拠点のハイテク製造技術パートナーのOechsler(オークスラー)も同じように感じている。「Oechslerでは、アディダスがSpeedfactoryでの生産を中止する事情は理解していますが、この決定を残念に思います」と、同社のCEOであるClaudius Kozlik(クラウディウス・コツリック)氏は、プレスリリースで述べている。これらの工場は4月までに閉鎖し、そこで働いていた160人程度の労働者は、失職または配置転換される。ただし、両社は引き続き協力関係を維持することにしている。

同じプレスリリースでアディダスは、来年から「Speedfactoryの技術を利用して、アジアの2つのサプライヤーで、アスリート用のフットウェアを製造する予定です」と述べている。それが正確に何を意味するのかよく分からないので、同社にはさらなる情報の提供を求めている。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

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顔、手振り、服装チェックまでカバーしたFacebookの最新機械学習の

Facebook(フェイスブック)の最も新しい機械学習モデルの研究は、我々からすればなんとも平凡な仕事をさせるものだが、コンピューターにとっては今でもめちゃくちゃ難しい仕事だ。このプロジェクトの目的は、顔の匿名化と、手の動きを即興で作ること、そしておそらくもっとも難しいであろう、適切な服装のアドバイスだ。

この研究は、先日、ICCV(国際コンピュータービジョン会議)にて発表された。フェイスブックからは数十件の論文が公開されたが、同社はAIに関する研究、とりわけ、コンピュータービジョンにかなり重点を置いている。

動画の顔を変更する技術は、“ディープフェイク”などの悪用例を連想してしまうが、フェイスブックの研究チームは、むしろ人道的利用法の可能性があると感じている。

ディープフェイクは、顔の特徴と目標を詳しく調べ、その人の表情や顔の動きを、まったく別の人物の顔にマッピングするというものだ。フェイスブックのチームも同じ特徴や目印を使うが、目的は別の顔と入れ替えることではなく、顔認証エンジンで識別できないまでに顔を変形させることだ。

動画には出たいが、訳あって世間に顔がバレるのは困る人、しかも、お面をつけたり顔を完全に変えるといった格好の悪いこともしたくない人の役に立つだろう。これを使えば、自分の顔に似ているものの、たとえば目の幅がわずかに広かったり、唇が薄かったり、おでこが広い顔になれる。

彼らが制作したシステムは、よくできているように見える。もちろん、製品化するまでにはいくつか洗練させなければならない部分もある。しかし、政治的弾圧を逃れるために、またはもっと平凡なプライバシー対策のためにと、便利な使い道があれこれ思いつく。

仮想空間では、人の識別が大変に難しいことがある。その理由のひとつが、現実の生活では普通に認識している言葉に依らないジェスチャーの欠如だ。そこで次の研究は、そうした身振りをキャプチャーし、カタログ化し、再現しようとしている。少なくとも、人の手の仕草だ。

奇妙なことに、人が話しをするときの手振りを正確にデータ化したものはほとんど存在ない。そこで彼らは、2人の人間が通常の会話中に見せる手振りをたっぷり50時間にわたり録画した。というか、ハイエンドのモーションキャプチャー・ギヤを装着した状態で、できるかぎり自然に会話してもらった。

そうした(比較的)自然な会話と、それに伴う身振りと手振りは機械学習モデルに統合され、たとえば、「以前は」と言うときに自分の背後を指差したり、「そこらじゅう」と言うときに泳ぐような手つきをするといった言葉と動作の関連性をAIに学ばせた。

これがどんな役に立つのだろうか? 仮想空間でのより自然に見える会話もあるだろう。また、アニメーターがキャラクターに現実に根差したリアルな動きをさせたいときに、これがあればわざわざ自分たちでモーションキャプチャーを行わずに済む。結果としてフェイスブックが統合したこのデータベースは、規模の面でもディテールの面でも他に類を見ないものとなった。それ自体に価値のあるものだ。

同様にユニークながら、やや軽薄だと論争になったこのシステムの用途に、服装を向上させるというものがある。スマートミラーが一般化すれば、服装のアドバイスぐらい、して欲しいよね?

Facebookは小売業向けコンピュータービジョンのGrokStyleを買収(未訳)

Fashion++は、身にまとった服(帽子、スカーフ、スカートなど)と全体的なファッション性(当然、主観的な尺度だが)のラベル付けされた画像の膨大なライブラリーを取り込むことで、今の服装をもとに、よりよい服装の提案をするというシステムだ。大幅な変更は提案しないが(そこまで高度ではない)、上着を脱ぐとか、シャツを中に入れるなどの細かい助言をしてくれる。

デジタル・ファッション・アシスタントと呼ぶには程遠いが、実際の人々に服装アドバイスをさせたところ、信頼できる、さらにはいいアイデアかも知れないという反応が得られたという早期の成功が論文には記されている。よくよく考えれば、かなり複雑な課題だとわかる。さらに、“ファッショナブル”という言葉がいかにいい加減に定義されていたかを考え合わせれば、これは感動的なことだ。

ICCVでのフェイスブックの研究発表は、同社とその研究チームが、コンピュータービジョンに何ができるかという疑問に対して、じつに大きな視野を持っていることが示された。写真の顔を素早く正確に認識できたり、室内に置かれた物から位置が特定できれば大変に便利だが、ちょっとしたビジュアル・インテリジェンスによって改善される、まだ知られていない、または意外なデジタルライフの側面がまだまだたくさんある。この他の論文は、こちらから読むことができる

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(翻訳:金井哲夫)

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電子たばこ関連疾患の致命的な犯人はビタミンEアセテートか

米当局の公式発表によれば、電子たばこの使用者に見られる謎の疾患の原因はビタミンEアセテートだ。電子たばこ製品に共通して含まれる化学物質で、喫煙後も長期間肺に留まることがわかった。今回の発見は「突破口」だと言われているが、事態の完全な解決にはほど遠い。

悲しいことに、この疾患によりすでに少なくとも39人の命が奪われ、アラスカを除くすべての州から2000人以上の症例が報告されている。現在出ている唯一の勧告は電子たばこを完全に止めることだ。

メディア向け会見で、米疾病予防管理センター(CDC)の調査責任者らはビタミンEアセテートが原因と考えられる理由を説明した。この物質は早い段階から問題がある可能性が指摘されていたが、ようやく最近のテストで本当に疑わしいと結論づけたと説明した。

死亡した患者29人の肺から採取したサンプルが10の州から送られ、全員からビタミンEアセテートが発見された。「この発見は、ビタミンEアセテートが肺の主要な損傷部位に存在する直接的な証拠となる」とCDCの主席副所長のAnne Schuchat(アン・シュチャト)氏は述べた。

シュチャト氏はこの証拠が「突破口」になることに同意したものの、現時点では相関関係を示すにすぎず、因果関係、すなわち疾患に至るメカニズムを究明するにはさらに研究が必要になると述べた。引き続き研究が進められている。

「他の研究機関による過去の研究では、ビタミンEアセテートを吸入すると、正常な肺機能が妨げられる可能性が示唆されていた」と同氏は説明した。

シュチャト氏は続けて「今回の発見は、肺損傷を引き起こす他の化合物や成分の可能性を排除するものではない点に留意することが重要だ。発生の原因は複数あり得る」と述べた。

同様に重要なのは、問題物質の発生源に関する統計だ。調査の早い段階で明らかになったように、この症状に苦しんでいる人々の大半がTHC(大麻に含まれる有害成分)製品を使用しており、路上の売人のような違法ルートから購入している。

シュチャト氏は電話での質問に答えて「ビタミンEアセテートは製品を改変する目的で追加された可能性がある」と述べた。

「違法に利益を上げるため、原材料を薄め、見栄えを良くし、THCや他の有効成分の使用量をおさえる点から加えられた可能性がある」とシュチャト氏は言う。

加熱やエアロゾル化によって有毒になる他の化学物質も電子たばこ製品で見つかっており、製造元が想定していなかった物質も多い。

犯人を割り出しても問題の核心には迫れない。本当の問題は、有害な化学物質が電子たばこ常習者の肺に数カ月または数年にわたってすでに蓄積していることだ。治療は研究のもう片方の柱で、原因物質が1つでもわかれば前進する。

当局は、CDCの以前の勧告はいまなお有効だと言う。CDCは、電子たばこを一切吸わないことを推奨している。電子たばこ製品に許可される成分、製品パッケージに表示すべき警告、その警告の正確性のいずれをとってもきちんと管理されているとは言い難いからだ。

画像クレジット:Rapeepong Puttakumwong / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi)

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ロボットアームの動きは適度に遅いほうが不気味の谷現象を防げる

ロボットアームは空中に投げた物でもつかめるほど速く動けるが、でも実際にそうすべきだろうか?Disney Research(ディズニー研究所)が行った実験によると、ロボットを操作している人間を不安がらせないためには、そこまですべきでない。同研究所のロボット技術者たちは、人間が正常と感じるためにはロボットの反応時間を遅くした方がいいことに気づいた。

ディズニーはもちろん、何十年も前からロボットに関心があり、そのテーマパークにおけるオートメーションは世界でもっとも有名なロボットの一部だ。でもそれらのロボットには、人間と直接対話する機会がほとんどない。そこで同社の研究所は一連の研究プロジェクトにより、安全でしかも不気味ではない、ロボットと人間の共存を研究してきた。

今回の研究テーマは、ロボットに物を手渡すとき、怖がらずに自然にそれができるためにはどうするかだ。もちろん、人間がチケットや空のカップなどに手を伸ばしたとき、ロボットが電光石火のスピードで間髪をいれずそれらをつかみ取ったら、危険であるだけでなく人間は恐怖を感じるだろう。

関連記事:投げられたラケットなどもキャッチできるスーパー・ロボットアーム登場

そこで、この場合の、擬人化された猫に取り付けられているロボットアームは、正常な人間の速さで動く。しかし、でも、いつその腕を伸ばすべきか? 実験で分かったのは、人間は自分に何かが手渡されようとしていることの認識に1秒を要し、その後手を伸ばしてそれをつかむ。コンピュータービジョンのシステムなら、物を認識して手を伸ばす動作がもっと速いが、それは人間が見ると奇妙に感じる。

研究者たちが行った実験では、ロボットが人間からリングを受け取るスピードや遅延を三種類に変えてみた。

ロボットの手の動きが速いと、人間はそれを「温かみがなくて不快」と感じた。遅い速度が一番好評だった。ロボットの手の動きに初動時の遅延がないと、それも人間にとっては不安だった。ただし遅延が長すぎると、やはり不安が生じた。

誰かの手が自分のほうへ伸びてきて自分の手から何かを取ろうとするときには、そのための快適な間合いがあることがわかった。その動きはある程度遅いほうが良い。適度に遅くてしかも遅すぎないことが、人間らしさを感じさせる。

この手渡しシステムは、米国時間11月7日に発表される研究論文に詳しく説明されている。実験はしっかりとした日常的環境で行われ、物の動きや予期せざる力などもある。ディズニーワールドのカフェでおしゃれキャットのロボットが、あなたの手からマグを取り上げるようになるのはまだ先の話だが、でもそのロボットの手の動きが人びとを怖がらせるほど「目にも止まらぬ速さ」ではないことは、これで確実になった。

画像クレジット: Disney Research

参考記事: 不気味の谷現象

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

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サウジアラビアはTwitterの社員に活動家の個人データを盗ませた

最近公開された裁判所の文書によると、サウジアラビアの政府職員がTwitter(ツイッター)の少なくとも2人の社員を買収して、同国政府が関心を持つユーザーの個人情報にアクセスしたとされている。それらのユーザーは2015年に彼らのその行為について警告されたが、事件の全容はまだ明らかではない。

その連邦レベルの告訴を引用しているAP通信の記事によると、サウジ政府はAhmad Abouammo(アフマド・アブアムモ)とAli Alzabarah(アリ・アルザバラ)の2人に接近して「特定ユーザーの個人情報を取り出すことができたら高級腕時計と数万ドルを与える」と約束した。

アブアムモはTwitterで中東のメディアパートナーシップを担当し、アルザバラはエンジニアだった。どちらも正規の登録のないサウジのエージェント、すなわちスパイとして行動したとして告発された。

アルザバラは、2015年にワシントンD.C.でサウジの王族の一人と会い、その後の1週間以内に数千人のユーザーのデータへのアクセスを開始し、その中にはサウジアラビアが公式にTwitterにコンタクトして情報を求めた少なくとも33名が含まれていたとされる。これらのユーザーの中には、王室とサウジ政府にとって危険な政治活動家やジャーナリストが含まれていた。

その行為が社内で発覚し、上司に詰問されたアルザバラは「単なる好奇心でアクセスした」と言ったとされる。しかし彼は解雇されると、文字どおりその翌日に家族とともにサウジアラビアに飛び、現在は当地政府の職にある。

関連記事:サウジ政府に誘惑されたTwitter社員が2015年の国家によるハッキングの警告の契機だった(未訳)

この事件によりTwitterは数千名のユーザーに、彼らが国家がスポンサーである攻撃の対象かもしれないと警告したが、実際に彼らの個人データが秘かに盗まれた証拠はない。The New York Timesの報道では、この警告活動は個人情報取得の目的のためにサウジの政府職員に買収されたTwitter社員が契機だった。そして今回明らかになったのは、同様の行為に関わった社員がもう一人いたことだ。

問題の事件はまだ未確定であり、今後さらなる情報が明るみに出るものと思われる。将来の類似事件の防止策についてTwitterに尋ねたが、同社は明確な回答ではなく、次のような声明をくれた。

今回の捜査に関してFBIと司法省の支援に感謝する。悪者たちが弊社のサービスを毀損しようとする試みについては、十分に承知している。弊社は機密扱いであるアカウント情報へのアクセスを、訓練され審査された特定の社員グループに限定している。弊社は、Twitterを使って自分たちの考えを世界と共有しようとする権能の座にある人びとが直面する、大きなリスクを承知している。弊社には、彼らのプライバシーと重要な仕事をする能力を保護するツールが配備されている。弊社は、われわれのサービスを使って平等と個人の自由と人権を唱道する人びとの保護に真剣に取り組んでいる。

画像クレジット: Bryce Durbin/TechCrunch

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

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任天堂のリングフィット・アドベンチャーで楽しくシェプアップ

任天堂はエクササイズ・ゲームでも長い経験がある。思い出してみると、NES(北米向けファミコン)でTrack & Fieldをプレイしたことがある。はるばる来たものだ!

任天堂Swicth向けのリングフィット・アドベンチャーは大人がプレイできる本格的フィットネスゲームだ。楽しいキャラが登場するし、ユーザーに強い負担をかけないようデザインされているのでエクササイズということを忘れてしまう。。

すでにTechCrunchでも報じたが、ゲームと器具は9月に突然発表された。これまでもエクササイズ・ゲームはあまり成功していなかったが、実際にプレイしてみて驚いたのは単なるエクササイズではなく本当にゲームなっていることだった。

リングフィット・アドベンチャーに登場するキャラクターはユーザー自身と(口をきかない)魔物たちで、ドラゴというボスを追い詰めるのがゲームの筋書きだ。この魔物どもは何かひどい悪事を企んでいるとういのだが、正確にどんな悪事なのかはわからない。ゲームの後でジョイコンを拭かないとか、そんなことかもしれない。

太ももに巻くバンドと手で操作するリングのバーチャル版。操作してみるとSwitchのモーションセンサーが正確なのが実感できる

このゲームはSwitchのジョイコンを太ももに巻くレッグバンドと円形のリングコンにそれぞれ差し込む。ストラップ式のレッグバンドのほうは見たままだが、リングコンの使い方は多少説明が必要かもしれない。これは強度のある合成素材のリングでユーザーはしっかりつかんで押しつぶしたりひっぱって伸ばしたりする。

モーションセンセーがそうした運動の内容と強度を判定する。2つのコントローラーによってユーザーはジョギング、屈伸、回転などあらゆる身体動作が可能だ。

ユーザーは自分の身体能力に合わせて運動強度のレベルを設定できる。テレビ画面に道が表示され、ユーザーのジョギング動作(その場足踏みでよい)に合わせて主人公のアバターが走り出す。妨害物が降ってくるのをリングコンで払いのけるなどができる。リングコンを向けて押し込むと「空気砲」が射てる。

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まだこの魔物にはお目にかかっていないがリングコンでやっつけるのは難しくなさそうだ

もちろんやがて魔物たちが出てくるのでさまざまな方法で撃退する。これがそれぞれ身体の各部を強化する運動になっている。リングコンを頭上に差し上げつぶしたり、腰を回したりしすることで多数の魔物をやっつけたりできる。リングとストラップという2つの器具で全身の運動を正確にトラッキングできる能力は驚異的だ。【略】

赤い連中がこっちを狙っている…

このゲームの開発には驚くべき量の努力と注意が払われているらしい。エクササイズは慎重に選ばれ、デザインされており、チュートリアルも親切だ。ユーザーのアバターはユニセックスで男性でも女性でも違和感がない。魔物も環境も細部まで作り込まれている。失敗しても手痛い罰などはなく、単にそのレベルをやり直せばよい。

全体としてこのゲームはユーザーフレンドリーでありプレッシャーをかけるのではなくエクササイズの機会を提供し、激励すること力を入れている。いつ中止してもいいしシステムは「今日はまだこれこれを終えていない」などと文句を言ったりしない。【略】

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ドラゴ、ジムに行くと確かにこういう奴がいる

このゲームを試したり友達と議論したりしているうちにこれはゲームとしてすぐれていると感じるようになった。任天堂RPGなどもさらにゲームらしいゲームの開発に青信号を出してもよいと思う。

これまでエクササイズのゲーミフィケーションというのは言うはやすく、実現できた例はほとんなかった。任天堂はSwitchが2つの部分に分割できることを利用して多様な動きを検出できるモーションセンセー・システムを構築した。これはスマートなアイディアだった。それにこのデバイスを持っているユーザーはデバイスを利用する新しいソフトウェアが出ればそれも買う可能性が高い。

小さい不満があるとすれば、ゲームをスタートする時点で選択肢が少ないことかもしれない。たとえば私はもっとジョギングしたかったし腕の運動はもっと少なくていいと思った。なにをどうしろとこと細かに指示されるのも多少うるさい。チュートリアルや指示をスキップできる「エキスパート・モード」を追加して欲しい。

リングフィト・アドベンチャーはゲームと器具を合計して80ドル(日本では7900円)だ。ゲームとしては高いが、そう考えるべきではないと思う。このソフトウェアのジムに通うお金を出したくない、時間もないという層がターゲットだ。ジムのメンバーになれば毎月50ドルから100ドルかかる。このゲームはジムに通うのと同じレベルの効果をリビングのテレビの前で楽しく達成できるのだから称賛すべきプロダクトだ。任天堂が示している価格は大変理にかなったものと思う。

【Japan編集部追記】任天堂では紹介動画をYouTubeに公開している(全編8分)。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook